楽天グループとLivePark、地方放送局13社は7月14日、コンソーシアム「のぞいてニッポン運営委員会」を設立したと発表。また、各放送局制作のテレビ番組コンテンツの配信を通じて、全国に地域の魅力を発信するサイト「のぞいてニッポン」をスタートした。
地方放送局は、北海道放送、青森放送、テレビ岩手、テレビ金沢、日本海テレビジョン放送、RSK山陽放送、瀬戸内海放送、南海放送、RKB毎日放送、サガテレビ、テレビ大分、テレビ宮崎、沖縄テレビ放送が参画。これまで地域内の放送エリアに限定されていたTV番組をのぞいてニッポンを通じて全国に発信する。これまで放送してきた地元ならではの取材力で拾い上げたおすすめの場所やグルメなどの番組コンテンツに加え、今後はオリジナル企画も展開する方針だ。
楽天は、本取り組みを通じて、各放送局の持つ番組コンテンツと楽天のサービスとの連携を推進し、地域の情報発信から地域産品の販売や旅行の提案などのサービスへの転換まで、一気通貫したユーザー体験を提供することで、各地の魅力発信や地域産業の振興に寄与することを目指す。
LivePark 特別顧問・ファウンダーの安藤聖泰氏は、「テレビ放送が始まって70周年を迎えるが、周辺環境が変わりネット配信が増加する中で、ローカル局のありかたが問われている。これまでは全国向けの番組を地域に届ける役割や地域情報、災害情報などさまざまな番組を放送してきたが、番組自体がネットで配信されている状況。しかしながら、ローカル局は地域の強い信頼がある、地域のトップメディア。ローカル局の新たな役割として、地域を背負って全国へ発信していくことが存在価値と再定義し、系列を超えた複数の地域で集まって広げていく」と背景を説明した。
楽天グループとLiveParkは、これまでにも地方創生を目的として各地の産品の魅力を伝えながら販売するライブコマースプロジェクトなどを手掛けてきた。1年半に渡り実施してきた、ご当地アナウンサーが地域の魅力を発見・発信する地域創生企画「聞き上手グランプリシリーズ」の取り組みを基礎にして、同サイトを立ち上げているという。また、LiveParkはテレビ×ネット関連の事業を推進してきた経験を生かし、プロジェクトの発起人として、取り組み全体の事務局と動画コンテンツの魅力を最大限引き立てる「編集部」を運営する。
編集部では、多くのコンテンツを見てもらえるように各局のコンテンツを生かした企画作り、記事制作、編成に加えて、SNSを活用した情報発信も行う。メディア事業として運営すし、広告収入や自治体からの協賛などを楽天がまとめて集約してシェアするしくみという。
LivePark 執行役員CWOの清田いちる氏は、「1日4~6本の更新を予定。内容は局に任せている。共通しているのは知った気になる点。地味派手で言うと派手ではないので、一見さんはどれを見たらいいか分からないことも多いと思う」と編集部を設置した背景について説明した。いいねボタンの代わりとなる「なるほどですね~」ボタンを設置し、各局の中でランキング競争も促していく方針だ。
楽天グループ 常務執行役員 コマース&マーケティングカンパニー シニアヴァイスプレジデントの松村亮氏は「昨今は“リテールメディア”がひとつのキーワードとなっているが、今回の取り組みは一つ先をいくもの。地方のコンテンツを一緒に配信して全国に魅力を届け、地方経済の活性化の機会を拡大して各地域のみなさんのコンテンツを拡大活用していく」と語った。
また、のぞいてニッポンだけでなく、今後も地域活性化を実現するため、地方局との連携、ライブ配信、各種SNS施策などを活用したプロジェクトを推進していくとしている。
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