人間よりも賢い、極めて高い知性を有する人工知能(AI)が登場し、反旗を翻した場合、何が起こるのだろうか。OpenAIは、そのような状況を発生させないようにするために新たなチームを発足させた。
同社は米国時間7月5日の発表の中で、「われわれよりもはるかに賢いAIを制御し、統制下に置いておく」ためのチームを立ち上げると述べた。
同社は、向こう10年以内に登場する可能性のある極めて高い知性が、これまでに生み出されたテクノロジーの中で最大の影響を与えるものとなり、世界で最も重要な問題を解決するのに役立つだろうと述べた。一方、「最も危険なものとなる可能性もあり、人間の無力化、さらには人類の絶滅さえもたらす可能性もある」という恐ろしい警告を記している。
同社によると、現状では人類の方がAIよりも賢いため、AIの動作を統制し続けることが可能だという。しかしAIの知性が人類のそれを追い越した場合には、何が起こるのだろうか。
ここで、同社のチーフサイエンティストであるIlya Sutskever氏と、AIアライメント(AIの安全性を確保するための統制技術)の責任者を務めているJan Leike氏が率いるチームの出番がやってくる。同チームは両氏の下に、OpenAIにおけるトップレベルの研究者やエンジニアを擁し、現在保有しているコンピュート能力の20%を活用していく。
最終的な目標は「人間とほぼ同じレベルを有する、自動化されたアライメントリサーチャー」、すなわち規定の目標を達成し、設定したパラメーターを逸脱しないAIシステムを生み出すことだ。同チームは3つの段階を通じてこれを達成する計画だ。
要するに、OpenAIにおける人間のチームは、極めて賢いAIを統制下に置き続けられるよう、AIを用いてAIを訓練しようというわけだ。同チームは、その作業を4年間で成し遂げようとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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