ただ、今回、NTTドコモの記者会見に参加してみて、「これってユーザーにわかりやすいのかな」と正直言って、首をかしげたくなってきた。
そもそも「irumo」「eximo」という名称がわかりづらい。NTTドコモとしては「ahamo」が予想以上にヒットし、浸透したこともあり、ahamoに寄せるかたちで「irumo」「eximo」にしたのだろう。
ただ、irumoが0.5GB、3GB、6GB、9GBという刻みなのに対して、eximoは1GB未満〜無制限という使い放題プラン、ahamoは20GBと大盛りオプションを足して100GBという設定になっている。
この3つの料金プランがNTTドコモのプランとしてまとまっているため、正直、ユーザーには選びにくくなっているような気がしてならないのだ。
irumoとeximoに関しては、光回線やhome 5Gセット割やdカードお支払い割を組み合わせることで料金が割引される仕組みが存在する。
一方で、ahamoに関しては、dカードで支払うとデータ容量が増えるという特典がある。
irumoとeximoは音声通話のかけ放題がオプションなのに対して、ahamoであれば、基本料金で5分までの国内通話が何回でも無料といった感じだ。
「スマホでデータを使いまくる」というのであれば、eximoの一択になるのだが、毎月7GBとか8GBあたりで、音声通話をよく使うユーザーとすれば、irumoかahamo、どちらかにしようか結構、悩ましいのではないか。
なんともモヤモヤした気持ちで、料金プランを決めなくてはいけない気がしている。
個人的にはOCNモバイルONEの遺産みたいなirumoなんて提供せず、「ahamo小盛り」として、3GB、6GB、9GBといったデータ容量を提供すれば良かったのではないか。
そのほうが、これだけ認知度があるahamoをブランド的に強化できるし、ユーザーとしてもわかりやすく選びやすい。
ahamoのなかで、自由にデータ容量を選べれば、本当にスッキリと納得感を抱きながら、毎月、ドコモに満足してスマホを使い続けるだろう。
確かに「ユーザーを囲い込みたい」という理由から、光回線やクレジットカード払いによる割引を付与したいというキャリアの戦略はよくわかる。
しかし、そうした細かな割引を組み合わせて、ようやくなんとか安くなるという仕組みから、そろそろ脱却してもいいのではないか。
これはNTTドコモに限ったことではなく、KDDIもソフトバンクも一緒なのだが、せっかくahamoのようなシンプルでわかりやすいプランを出して、ユーザーからの評価を上げたのだから、irumoやeximoでは旧態依然とした割引から脱却して欲しかった。
NTTドコモとしては「irumoとeximoは店頭サポートを充実される一方で、ahamoはオンライン専用プラン」という位置づけでわけているようだが、そもそもahamoは発表当初こそオンライン専用プランであったが、その後、ユーザーの強い要望もあって、店頭でサポートをうけて契約できるようになった。
それならば、もはやahamoは表向き「オンライン専用プラン」なんて言わずに、「ahamo小盛り」をやりつつ、店頭で堂々と受付すれば良いのではないか。
せっかく、ahamoはNTTドコモを代表するブランドになったのだから、新しい料金プランの名称をahamoに寄せるのではなく、ahamoを拡大して、誰でもわかりやすい、データ容量が少ないユーザーでも選べるプランにして欲しかったものだ。「使い放題のeximo」か「小刻みなデータ容量で選べるahamo」か。この2択で選べれば、納得感を持ってすべてのドコモユーザーに受け入れられたのではないか。
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