有効期限が切れたクレジットカードの扱いは常に難問だ。大半は、使わなくなったほかの持ち物と一緒に引き出しのどこかに追いやられ、最終的に埋立地行きになる。しかし、効果的に、簡単に、安全に、しかもどこの銀行のカードでも、世界のどこにいてもリサイクルできるとしたらどうだろうか。
このような仕組みを実現したいと考えたMastercardは米国時間6月21日、グローバルなカードリサイクルプログラムの展開を開始すると発表した。同社は銀行と提携し、期限切れのデビットカードやクレジットカードを投入できる回収ボックスを提供する。対象となるカードはMastercardが発行したものでなくてもよく、投入されたカードは細断されてリサイクルに出される。チップ部分を含むカードから得られた素材は、選別と溶解を経て、新しい製品へと生まれ変わる。
クレジットカードはサイズこそ小さいかもしれないが、現在、約250億枚が流通しており、処分すべき時が来ると、積もり積もって大量のプラスチック廃棄物が出る可能性がある。そのため、1つ1つは小さくてもリサイクルできれば、環境にプラスの効果が期待できる。国際連合環境計画(UNEP)によると、現状では、1分ごとにごみ収集車およそ1台分のプラスチックが海に捨てられているという。
このリサイクルプログラムに最初に参加する銀行は英HSBCで、米国などの銀行もすぐに続くとみられる。Mastercardでは、世界中でカードのリサイクルを可能にすることを目指している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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