同意を得ることなくユーザーをプライム会員に登録させているとして、米連邦取引委員会(FTC)がAmazonを提訴した。さらにFTCは米国時間6月21日に提出した訴状の中で、解約プロセスを消費者に対して分かりにくくしているとして、同社を非難した。Amazonはこの報道の直前に、7月の「プライムデー」セールを発表していた。
訴状によると、Amazonは「ダークパターン」と呼ばれる手法を用いて、膨大な数の消費者を、自動支払いのプライム会員に登録するよう強制的に誘導していたという。FTCの訴状には、同社はプライム会員の月額料金を十分に伝達していないと記されている。また、同意していない登録を減らすユーザーインターフェースへの変更を阻止したとされる同社幹部らの名前が挙げられている。
FTCのLina Khan委員長は、Amazonは、解約を意図的に難しくしており、社内では「解約プロセスを『Iliad Flow』と呼んで、残忍な戦争の壮大な物語になぞらえていた」とツイートした。FTCは、同社が今回の提訴直前に一部の会員に対する解約手続きに大きな調整を加えたことを認めつつ、同社は、FTC法と復元オンライン購入者信頼法(Restore Online Shoppers’ Confidence Act:ROSCA)に違反したと主張している。
Khan委員長はさらに、FTCが提案する「Click to Cancel」の規則に対するコメントを提出することを、一般大衆に強く呼びかけた。「Click to Cancel」の規則とは、自動更新のサブスクリプションサービスを迅速かつ簡単に解約できるようにすることを、企業各社に求めるものだ。
Amazonは、今回の提訴に対して声明を出し、FTCの主張に反論した。
「FTCの主張は、事実と法律に照らして誤っている。真実は、顧客がプライムを愛しているということ、また、われわれはプライム会員への登録と解約の両方が顧客にとって明確で簡単なものであるよう設計しているということだ」と、Amazonの広報担当者は米CNETに対し、電子メールによる声明で述べた。「われわれは、FTCがこの訴訟を当社に通知することなく、事実、文脈、法的問題を確実に理解してもらうためにFTC職員と議論している最中に、また、提訴前に当社がFTC委員と対話できるようになるより先に発表したことも、問題だと感じている」(Amazon広報担当者)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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