ある新興企業が、サウンドバー付きの55インチテレビを無料で提供してくれるという。ただし、これには条件がある。ユーザーは、自分のプライバシーを差し出し、内蔵カメラで撮影され、絶えず表示される広告の嵐に耐えなければならない。
ストリーミングサービスを手がけるPluto TVの共同創設者Ilya Pozin氏が設立したTellyは米国時間5月15日、無料のデュアルスクリーンテレビの予約受け付けを開始したことを明らかにした。2つ目の小さなモニターはメインモニターとサウンドバーの下に搭載されており、広告やウィジェットを表示するディスプレイとして機能する。テレビの視聴中に広告が邪魔になることはないが、テレビを使用していないときには両方のスクリーンが広告に占領される可能性もある。
Tellyの最高戦略責任者を務めるDallas Lawrence氏はThe Vergeの取材に対し、2つのモニターに広告を表示するさまざまな方法に取り組んでいると語った。「これまでにないほど魅力的な広告体験を創り出すために、文字通り何百というアイデアを検討しているところだ」と、同氏は述べている。
また、広告が常に表示されるだけでなく、ユーザーは大量のデータを差し出すことに同意しなければならない。同社のプライバシーポリシーには、「お客様が視聴した音声および動画のコンテンツ、視聴したチャンネル、コンテンツの視聴時間」に関するデータを収集すると書かれている。
さらに、同社はユーザーがいつどのようにテレビを利用したのかを監視する。具体的には、「お客様が検索した言葉、設定、起動したアプリケーション、購入などの取り引き、選択したボタン、活動の日時と頻度と長さ、任意の時点においてテレビを使用しているお客様や他の方の存在、およびその他の利用データ」を収集するという。
この監視機能をオプトアウトしたければ、テレビを返却するか、相応の代金をTellyに支払わなければならない。
多くのスマートテレビが広告を表示したりデータを収集したりするが、通常は設定でほとんどのデータ収集機能を無効にできる。また、ほとんどのテレビはカメラを備えていないため、ユーザーを視覚的に追跡することはできない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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