オムロン ヘルスケアは5月10日、2023年で血圧計発売50周年を迎えたと発表した。
同社は、血圧を病院で測ることが当たり前だった頃から、家庭での継続的な血圧測定が高血圧治療に役立つと考え、誰でも正確に測れる血圧計の開発に取り組んできた。
1973年には、1号機となるマノメーター式電子血圧計「HEP-1」を発売。1991年には、世界初の自動加圧設定機能となる「ファジイ技術」を搭載した血圧計を開発し、手動加圧設定を自動化することで、測定精度の向上を実現した。
また、正しい位置に巻けるように開発された「フィットカフ」や、加圧時の痛みを軽減する「e-フィットカフ」など、腕帯の改良も実施。正しい測定姿勢をとるためのサポート機能を拡充するなど、使いやすさの向上にもこだわり続けている。
現在、同社の血圧計は世界110以上の国と地域で使われており、2023年4月末時点のグローバル累計販売台数は3億5000万台を突破しているという。
さらに、医学会における家庭での血圧測定の理解促進にも努めており、1986年から岩手県花巻市大迫町で開始された「大迫研究」では、同社の血圧計約300台を提供。研究の実施をサポートしてきた。
寒冷地である大迫町では、循環器疾患患者が増加していたため、家庭で測定した血圧データを活用した保健師による面談を行うことで、住民の健康改善に取り組んでいた。同研究は35年以上も続き、その結果、家庭での血圧測定の有用性が確認され、その内容は国際的な高血圧治療ガイドラインへと反映されているという。
加えて、血圧管理のデジタル化にも挑戦。2010年には、日本国内向けに健康管理サービス「ウェルネスリンク」をリリース。現在では、スマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect」をグローバル約140カ国以上に提供している。
2020年には、医師と患者が血圧データを共有して循環器疾患の重症化予防をサポートする遠隔患者モニタリングサービスを米国で開始。家庭での血圧測定の普及に加えて、高血圧治療をサポートするサービスまで事業拡大している。
革新的デバイスの創出にも挑戦しており、世界初の医療機器認証を取得した腕時計タイプのウェアラブル血圧計「HeartGuide」や、心原性脳梗塞症の要因ともいわれている不整脈「心房細動」の早期発見を目的とした心電計付き上腕式血圧計などのグローバル展開も推進している。なお、ウェブサイトでも家庭血圧計の歴史を公開している。
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