高級キャビアの味を10分の1の価格で--Dr.Foodsら「植物性キャビア」を開発

 Dr. Foodsは4月25日、岩手県の食品会社で創業64年の歴史を持つマーマフーズと協業して「植物性キャビア」を開発したと発表した。

 東京で鮨を提供する「麻布十番 秦野よしき」の分店「立喰 鮨となり」で、植物キャビアを乗せた「茄子のヴィーガンキャビア乗せ」を提供する。4月26日から5月16日まで1日10貫限定で、価格は1貫880円(税込)。ほか、法人向けに「植物性キャビア(瓶詰め50g入り)」(卸価格:税込4400円)の発売も予定している。

「植物性キャビア(瓶詰め50g入り)」(卸価格:税込4400円)
「植物性キャビア(瓶詰め50g入り)」(卸価格:税込4400円)

 麻布十番 秦野よしきの鮓職人である秦野芳樹氏は、「本物に近い風味だと思った。自然な風味で(クセが)強すぎることもなかったのでいろいろな食材に合わせやすいと思った」と語る。また、秦野氏は英国ロンドンのメイフェア地区にあるフードコート施設「Mercato Mayfair(メルカートメイフェア)」に鮨を出展する予定で、ヴィーガン食品が浸透している文化を受けて植物性キャビアを使用した鮨を提供するとした。

「本物に近い風味」と麻布十番 秦野よしきの鮓職人 秦野芳樹氏
「本物に近い風味」と麻布十番 秦野よしきの鮓職人 秦野芳樹氏

 開発にあたって目指したのは、18gで2~3万とするような高級ラインのキャビアだという。Dr.Foods 商品開発部 井戸健二氏は「植物性キャビアは50gで4400円なので、だいたい高級なキャビアの10分の1ぐらいの価格になる。そうしたところに価値を感じていただいている」と語った。

通常のキャビアと同じ程度に油脂を多く内包し、高級感のあるなめらかな口当たりと味わいを両立させたという
通常のキャビアと同じ程度に油脂を多く内包し、高級感のあるなめらかな口当たりと味わいを両立させたという

 Dr. Foodsは、培養肉、微細藻類、遺伝子組換え大豆の研究、代替肉の研究開発、代替肉商品の企画・製造、通販事業を手掛ける企業。マーマフーズと約1年をかけて開発した。

 開発拠点である岩手県は、三陸海岸をはじめ、水揚げ・特産品が豊富な地域が多い県ではあるが、近年漁獲量が減少している。Dr. Foodsは海藻をもとに新しい特産品を作りたいという思いがあり、マーマフーズと開発を進める中で、代替魚卵に着目した。

 2022年に開発した植物性フォアグラとのシナジーや、キャビアという食品自体の希少価値、持続可能という観点、多くの人にキャビアの味を楽しんでもらいたいという想いなどから、植物性キャビアの開発を開始したと説明した。

 主に海藻の抽出成分を始めとした多糖類を原料をしたもので、油脂を内包させ、人口いくらのように凝固液のプールに滴下して製造しているという。

 一般的な植物性キャビアは、通常のキャビアと比較して油脂の含有量が少ない。また、プチプチした食感であることが多く、味と食感を同時に再現することが難しいとされている。今回開発した植物性キャビアは、通常のキャビアと同じ程度に油脂を多く内包し、高級感のあるなめらかな口当たりと味わいを両立させた。

左から、麻布十番 秦野よしきの秦野芳樹氏、Dr.Foods 代表取締役の石塚孝一氏、Dr.Foods 商品開発部の井戸健二氏
左から、麻布十番 秦野よしきの秦野芳樹氏、Dr.Foods 代表取締役の石塚孝一氏、Dr.Foods 商品開発部の井戸健二氏

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