働き方の変化により新しいワークスタイルが広がりつつあるいま、各地でコワーキングスペースも増加している。観光地として人気のある石垣島もそのひとつ。
マリンサービスと連携した施設や広いゆんたく(おしゃべり)スペースを備えた施設、繁華街の中心地に位置する施設など特長あるスペースが増えている。
今回は、面白法人カヤックの子会社、カヤックゼロが運営する2022年5月にオープンしたコワーキングスペース「チャレンジ」を体験した模様をお届けする。
カヤックは、毎月サイコロを振って給料が決まる「サイコロ給」の導入などユニークな会社として知られる。多くのIT企業が都心に集まる中で、2002年に鎌倉に本社を置き、地域に根ざした経営に力をいれてきた企業だ。
そうしたカヤックが運営するチャレンジは、2018年に閉店した地域密着型ホームセンター「チャレンジ」跡地の1階をリノベーションしたもの。名前はそのまま引き継がれている。南ぬ島石垣空港から車で25分、バスだと40分。中心地となる「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」界隈からはやや距離があるので、旅行者はレンタカーや自転車、タクシーなどの利用がおすすめだ。
通常のワークスペースのほか、ビジネスプレゼンやYouTuberイベント配信などができる80.66平方メートルのイベントスペースを備える。さらに石垣島のコミュニティ通貨「まちのコイン」まーるを活用してSDGsや地域貢献型活動の促進なども行われており、単なるコワーキングスペースだけはない、カヤックらしい特長ある施設となっている。
利用料金は、ドロップインは3時間1000円~、月額3900円プラン(8日間/月)~ほか、固定席のプランやブース席のプランなどもある。法人登記やポスト利用、ロッカーなどはオプションで利用できる。
まず、チャレンジの入り口エリアは、施設の会員でなくても使える「フード&ゆんたくスペース」となっており、テーブルやイスは八重山の各島で問題となっていた「放置パレット」をリメイクして作ったもの。
周辺にあるフードスペースは、鎌倉に本社を持つカヤックのつながりで、鎌倉にある行列のできる山形蕎麦屋の石垣店「ふくや石垣」や葉山のふわふわかき氷「Hinata cafe ishigaki」がいただける。
まずは、受付で利用手続きをすると、カードキーが渡される。そのカードキーを使って出入りすることになる。中に入ると、フリー席、ブース席、固定席、会議室などがある。ドロップインはすべての利用者が使えるフリーアドレス席(47席)に加え、予約が入っていなければ会議室も利用できる。
興味深かったのはマッチングボードのコーナーで、「 I WANTカード」と「I CANカード」が用意されているところだ。 I WANTカードには、たとえば「SEO対策ができる人」「事業計画書を一緒につくってくれる方」といったものがあり、I CANには「ロゴ名刺つくれます」「ECサイトのコンサル」といったものなど、さまざま。このWANTに応えたい、この人のCANを必要としている、といったときには受付に声をかけると、コミュニティマネージャーがつないでくれるしくみだ。連絡先を公の場に公開するのではなく、人を介すことで掲載のハードルを下げられる。
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