鹿児島県の十島村(としまむら)役場は4月1月、「日本最後の秘境」と呼ばれる鹿児島県の吐噶喇(トカラ)列島で、島暮らし体験施設のワーケーション利用の受け付けを開始する。
個人利用やグループでのワーケーションや、企業の合宿などに利用できる。費用は1人1泊2000円から。
トカラ列島は、鹿児島県の南にある屋久島、種子島と奄美大島との間に浮かぶ7つの有人島となる口之島(くちのしま)、中之島(なかのしま)、諏訪之瀬島(すわのせじま)、平島(たいらじま)、悪石島(あくせきじま)、小宝島(こだからじま)、宝島(たからじま)と、5つの無人島となる臥蛇島(がじゃじま)、小臥蛇島(こがじゃじま)、小島(こじま)、横当島(よこあてじま)、上ノ根島(かみのねじま)で構成。中之島に位置する十島村が所管している。
十島村は、主要な交通手段が鹿児島港から月曜日と金曜日の午後11時に出港、奄美大島の名瀬港から水曜日と日曜日の午前2時に出港する「フェリーとしま2」と、2023年9月から鹿児島空港と諏訪之瀬島で就航を開始したセスナ機による航空路線のみ。
コンビニエンスストアやスーパー、カフェ、レストランなどの施設はなく、手つかずの大自然が残りつつも、光回線による高速なネット環境が整備されているのが特徴。一方で、離島への本格的な移住の前に「移住体験」をするために村が整備した宿泊施設では、コロナ禍もあって利用者が少ない状態が続いていたとしている。
そこで同役場では、施設内に自由に利用できるWi-Fiや快適にリモートワークができるワーキングデスクとゲーミングチェアを導入。ワーケーションにも対応できるように整備を行い、プレオープンとして1月から利用の受け付けを開始した。なお、食事は自炊、掃除や洗濯なども自分たちでやらなければならないため、合宿形式での新人研修や開発合宿、コロナ禍のテレワークによって失われたチームワークを復活させたいと考えている企業を推奨している。
ワーケーションが可能な施設は1人1泊4000円〜の「口之島あっぽう家」と、1人1泊2000円〜「悪石島コミューン」の2カ所。いずれもワーケーション検索サイト「Workations」で確認できる。
口之島あっぽう家は、空き家となっていた島の共同売店をリノベーションしたものとなる。館内には、シングルの客室4室に、自炊可能なキッチンを備え付けた食堂、大型テレビとホワイトボードを備え、リモート会議に対応した談話室を用意する。
男女別のシャワールームとトイレ、洗濯機と乾燥機も備え付けられており、長期滞在も可能。
移転して新しくなった売店までは徒歩5分の距離にあり、長期滞在の場合は食材の購入についてあらかじめ相談もできるという。
悪石島コミューンは、島外から訪れる移住体験ツアーの受け入れを目的に建設された、十島村初の島暮らし体験施設。
2020年に完成したものの、完成とほぼ時を同じくして発生したコロナ禍の影響で、長らくツアー客の受け入れができなかったという。そこで、悪石島コミューンの有効活用策として、ワーケーションの受け入れを開始することになった。
もともとツアー客の受け入れを想定しており、建物中央の食堂を挟んで、両側に約12帖の居室が2部屋ある構造となっている。シャワールームとトイレは男女別。洗濯機も2台備え付けてあり、団体での利用も可能だ。
トカラ列島
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