オランダのデン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館が、ヨハネス・フェルメールが17世紀に描いた「真珠の耳飾りの少女」をモチーフとしたクリエイティブな作品を公募したところ、一風変わった愉快な作品が多数寄せられた。
「Instagram」で#mygirlwithapearlのタグが付けられた投稿をスクロールすると、青いターバンを巻き、左の耳に大きな耳飾りを付けた少女を描いた、あの有名な油絵に対する4000種類以上もの解釈を見ることができる。オマージュ作品は、美しいもの、風変わりなもの、シュールなものから、古典的なもの、抽象的なもの、スチームパンク風なものまで、多岐にわたる。作品には、写真、デジタルイラスト、油絵や、刺繍糸、おもちゃ、学用品、色とりどりのビーズやボタンで再現された像などがある。
各作品の中で少女は、赤ちゃん、髭を生やした男、犬、ウサギ、映画「アバター」に出てくる青色のナヴィ族になっている。複数の作品で、少女は、マスクやイヤホンを着けていたり、スマートフォンを持っていたりして、明らかに21世紀の人として描かれている。あるアーティストは、フェルメールの絵画を「Tinder」の画面上に重ねて、「Swipe Right」(右にスワイプ)という作品名を付けていた。
デジタル作品の中には、「Dall-E」のようなAIアート生成ツールで作成されたものもあるだろう。
マウリッツハイス美術館には通常、「真珠の耳飾りの少女」が展示されているが、2~6月までアムステルダム国立美術館のフェルメール展にこの作品を貸し出すことになっている。そこで同美術館は、その展示場所を空けておくのではなく、オマージュ作品を公募してその一部をデジタル形式で展示することを計画している。
「『真珠の耳飾りの少女』の展示スペースは一時的に、国内外から寄せられたオマージュ作品ができるだけ多く展示された、インスピレーションの場所になる予定だ」と、同美術館は述べている。
提出作品に対し、同美術館は何の制約も設けていない。「ターバンの代わりにバスタオルを巻いた自画像でも、彩色した銅製品でも、陶器を重ねたものでもいい。われわれにとってクレイジーすぎるものなどほとんどない」(マウリッツハイス美術館)
17世紀の最も有名なオランダ画家の1人であるフェルメールは、室内の何気ない情景と類まれな光の描写で知られている。
フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」は、数多くの文学作品や映画に登場している。
元の絵画をもっと詳しく見てみたいという人は、Googleの無料アプリ「Google Arts & Culture」の「Pocket Gallery」という拡張現実(AR)機能によるバーチャル展示でフェルメールの全36作品を閲覧して学べる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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