NFL、「Kaggle」でコンペ開催--選手のケガ防止に向け

Jada Jones (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2022年12月08日 13時11分

 米プロフットボールリーグ(NFL)は米国時間12月5日、「Kaggle」でコードコンペを開始した。クラウドソーシングによるこのコンペの最終的な目的は、人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用して、試合中の選手の接触を分析/検出するために役立てることだ。このコンペは、NFLがAmazon Web Services(AWS)との革新的なパートナーシップの下で取り組んでいる、選手の負傷の予測と防止に向けたNFL選手の仮想シミュレーション「Digital Athlete」の一環となっている。

仮想のNFL選手
提供:NFL

 KaggleはデータサイエンティストやML専門家が参加するオンラインコミュニティで、データセットを用いて現実世界の課題の解決を目指すさまざまなコンペが開催されている。NFLの今回のコンペ「NFL Contact Detection Challenge」(NFL接触検出チャレンジ)は2023年3月1日まで開催され、1等賞金は5万ドル(約680万円)となっている。

 このコンペの目的は、試合中に発生する選手の物理的な接触を検出するというものだ。コンペの参加者らは、選手の安全性を高められるよう、試合映像を視聴し、選手の接触が発生する瞬間を分析する。その後、NFLはMLとコンピュータービジョンを活用し、フットボール試合中のどの瞬間に選手間の接触が発生するかを特定しようとしている。

 過去にNFLがスポンサーとなったKaggleのコンペでは、ヘルメットの衝突による衝撃を検出/識別するアルゴリズムが成果として得られたが、同リーグはさらに一歩先へ踏み込もうとしている。今回のコンペの目的は、選手が互いに接触する瞬間や地面に激突する瞬間に関する同リーグの予測能力を高めるというものだ。

 NFLのプレスリリースには、コンペの結果から「フィールド上で接触が発生するタイミングを定量化するNFLの能力を向上」させることで、「選手の負傷に関する予測能力を強化し、最終的には負傷を防げるようになる」と記されている。

 NFLとAWSとの数年間にわたる協業により生み出されたDigital Athleteにより、NFLは選手の大きな負傷を予測/予防するための定量化可能なデータを得られるとされている。

 Digital Athleteでは、Kaggleの参加者らが分析した試合データに基づき、自動化された実験的なNFL選手に膨大なフットボールプレーをシミュレーションさせることが可能だ。

 これにより、選手が履いているシューズや、フィールドの状態、天候といった、数多くの条件に基づく選手の安全面を左右する情報が同リーグに提供される。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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