CureApp×福島県立医科大学、慢性腰痛症向け治療用アプリを共同研究

 CureAppは11月7日、福島県立医科大学(医学部整形外科学講座:主任教授の紺野愼一氏、准教授の二階堂琢也氏ら)と、慢性腰痛症に対する治療用アプリの共同研究を開始したと発表した。

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 慢性腰痛症とは、3カ月以上腰の痛みが続いている状態であり、若年層から高齢者まで幅広い年代で見受けられる症状だという。

 また、腰に原因があって痛みが生じているケース以外にも、腰に器質的な異常がないにもかかわらず、痛みが生じているケースが存在する。加えて、慢性化するとその痛みの要因はひとつではなく、より複雑に絡み合うことが分かっている。

 特に、痛みに関しては精神的・感情的な影響を受けやすく、脳内の神経伝達物質による鎮痛作用の低下や痛覚過敏などの症状を引き起こす。ストレスや不安を感じている状況が長期間続くと、心理社会的因子との循環的相互作用により難治化・重症化する恐れがあり、QOL(Quality of Life)の低下へと繋がる悪循環を引き起こすとされている。

 日本における顕在患者数は、1086万2000人/年(2018年)にのぼり、これは国民病といわれる高血圧症、脂質異常症、糖尿病に並ぶ被診断者数になっている。

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 さらに、有訴患者数に至っては最多。生活の質の低下・業務効率の低下・他の疾病の発症に繋がる疾病負荷を示す障害調整生存年数(2019年)は、脳卒中に次いで2番目に大きな値となる。

 慢性腰痛症を有する患者は、痛みの原因や影響が身体面のみならず、心理面・社会面と多岐に渡るため、治療に関わる医療従事者の専門分野や治療内容が多様であることが望ましいとされている。また、現在推奨されている集学的治療は、多分野・多職種による治療介入が必要で、医療機関と患者の負担が大きく、治療継続の高さも課題となっている。

 そこで同社は、福島県立医科大学と慢性腰痛症に対する治療用アプリの共同研究を開始。治療用アプリでは、多様な専門分野の知見と、運動療法や認知行動療法などの治療内容を集約し、患者の身体面、心理面、社会面を考慮した幅広い治療を通院時以外も含めて提供できるように目指すという。

 また、集学的治療を行うことができなかった多くの医療施設に対しても提供を目指すとしている。

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