「Apple Watch Ultra」先行レビュー【前編】--日常生活やアルペンルートで試した印象は? - (page 2)

充電ケーブルを忘れても大丈夫?--バッテリー駆動時間は

 Apple Watch Ultraのバッテリー時間は最大36時間、今後提供が予定されている低電力設定では、最大60時間のバッテリ駆動が可能だ。これまで、Apple Watchの弱点とされてきたバッテリー持続時間は従来よりも改善されている。

 実際に使用したところ、ウォーキング程度のワークアウト、通知程度の使用なら、確かにかなり持つ印象を受けた。たとえばある日は、朝6時過ぎにフル充電の状態からスタートし、その日一日外出して23時半過ぎの残量は68%、24時間以上経過した翌朝7時半で57%だった。そのまま使い続けて、バッテリ残量が30%を切ると睡眠の測定ができないというアラートがあった0時過ぎ、42時間以上が経過して25%だった。

Apple Watch Ultraには、オプションでは販売されていないスペシャルな充電ケーブルが付属している
Apple Watch Ultraには、オプションでは販売されていないスペシャルな充電ケーブルが付属している

 ただし、使い方にもよるようだ。ペアリングを3回ほどしなおしたり、ハイキングで現在地をマークする「コンパスウェイポイント」やバックトレースを使ったりした日は、バッテリーの減り方が早かった。それでも、朝5時半過ぎにフル充電からスタートし、翌朝8時で21%だった。かなり使用しても、少なくとも1日は問題なく使える安心感はこれまでのApple Watchにはないものだ。

 今後提供される低電力モードを使用した場合は、心拍数とGPSの測定頻度を減らしたワークアウト設定を有効にすると、60時間の間に15時間のワークアウト、600回以上の時刻チェック、35分間のアプリ使用、3分間の通話、15時間の睡眠記録が行えるという。

 先日、1泊2日の旅行先でApple Watchの充電ケーブルを忘れてしまい、2日目の途中から使えなくなった残念な経験を持つ。Apple Watch Ultraなら、カジュアルな旅行であれば、低電力設定にせずとも2日は十分に問題なく使えると感じた。

 なお、Apple Watch Ultraには、スペシャルな充電ケーブルが同梱されている。耐久性のある網み込みタイプで、オプション販売はされていない特別なものだ。なお、充電時間に違いはなく、約1.5時間でフル充電される。

耐久性のある網み込みタイプ。下がApple Watch Ultraの付属品で、上が従来のもの
耐久性のある網み込みタイプ。下がApple Watch Ultraの付属品で、上が従来のもの

立山黒部アルペンルートで使ってみた--便利なコンパスアプリ

 Apple Watch Ultraは、高精度2周波GPS(L1 GPSとL5 GPS)を備える。2つの周波数から得られるデータを組み合わせることで、距離、ペース、経路をより正確に計算できるようになったという。特に、高層ビルが立ち並ぶ過密都市、森林が多い山の中で効果を発揮する。

 耐久性に優れており、軍用機器に使用されるMIL-STD 810Hの関連項目の規格に準拠。本格的な冒険に対応する仕様なのだ。

登山者も多く訪れる立山黒部アルペンルート。富山から室堂までの観光ルートを訪れた
登山者も多く訪れる立山黒部アルペンルート。富山から室堂までの観光ルートを訪れた

 今回、立山黒部アルペンルートで使用した。とはいっても登山ではなく、日本最高所に位置する駅「室堂」の周辺をハイキングで楽しむ程度で恐縮だが、それでもApple Watch Ultraのポテンシャルを感じられたのでお伝えしたい。

 訪れた日は、室堂の気温は14度。曇り時々晴れといった状況ながら、用意していったパーカーが不要で半袖で過ごせるほどの陽気だった。

 ときどき強い日差しがまぶしく感じる状況下でいくつかの機能テストしたが、明らかにこれまでのApple Watchよりも見やすい。最大2000ニトのディスプレイの威力を感じた。

コンパスウェイポイントの作成画面。ポイント名を入れ、シンボルやカラーを指定して完了だ
コンパスウェイポイントの作成画面。ポイント名を入れ、シンボルやカラーを指定して完了だ

 今回、watchOS 9では、コンパスアプリケーションが強化されている。Apple Watch Series 5以降および Apple Watch SEで利用でき、Apple Watch SEおよびApple Watch Series 6以降では、「コンパスウェイポイント」を作成して、ウェイポイント間の距離と方向を調べたり、「バックトレース」を使って足取りをたどったりできる。

 コンパスウェイポイントは、いる場所や特定の地点を簡単にマークできる機能だ。コンパスウェイポイントのアイコンをタップすると、「ウェイポイント」が配置される。

 ポイントに名称を付けられるのだが、Apple Watch Series 7以降のApple WatchではQWERTYキーボードが使える。音声入力もできるが、地名など直接書いた方が早いこともある。Apple Watch Ultraの大画面は、入力がしやすくフリック入力も問題なくでき、便利だと感じた。ほか、ラベルや色などを入力すると完了だ。

 今回は、曲がり角ごとにウェイトポイントを作成して試した。再びコンパスウェイポイントのアイコンをタップし、リストから行きたいウェイポイントを選択すると、目指すための方向とおおよその距離が表示される。

分かれ道で迷っても、きちんとコンパスで知らせてくれた
分かれ道で迷っても、きちんとコンパスで知らせてくれた

 もし、迷ってしまったというときのために、バックトレース機能がある。GPS情報を使ってユーザーが移動した経路を表示するので、迷ったり方向を見失ったりして足取りをたどる助けが必要な時に便利だ。ルートから外れた時は自動的にバックグラウンドで起動するという。

 実際にこれらの機能を使って感じたのは、かなり安心感が得られるということだ。今回は天候に恵まれたが、もし霧で前が見えないようなことが起きたら、迷うこともあるかもしれない。分かれ道で、「どちらにいけばよかったんだっけ」と思うこともあったが、きちんとコンパスで方向が示された。

 また、Apple Watch Ultraならではの機能に、86デシベルのサイレンがある。万一ユーザーが道に迷ったり負傷した時などの緊急事態に備えて設計されており、居場所を警報で知らせるために役立つ。

 独自のサウンドは、遭難を示す音と一般的に認識されているSOSの音が交互に鳴り、最大数時間にわたり繰り返し再生されるという。

山の上にも基地局(アンテナ)が設置されている。登山道でもスマートフォンがつながる、いざというときのライフラインだ
山の上にも基地局(アンテナ)が設置されている。登山道でもスマートフォンがつながる、いざというときのライフラインだ

 今回、手間取ったことのひとつに「高度」が合わない現象があった。ペアリングしているiPhoneのコンパスアプリはほぼ一致していたのだが、標高475mのエリアで、Apple Watch Ultraの高度計は1165mと表示された。

立山駅で、標高とApple Watchが示す高度が合わないことに気がついた
立山駅で、標高とApple Watchが示す高度が合わないことに気がついた

 そうした場合には、(1)iPhoneの「設定」-「プライバシーとセキュリティ」で「位置情報サービス」がオンかどうかの確認(位置サービスの設定はApple Watchにも適用される)、(2)電源を入れ直す、(3)ペアリングを解除して再度ペアリングしなおす――といった対処法があるという。いずれの方法も試したものの、すぐには解消されなかった。

 セットアップの当初は問題がなかったので、おそらく飛行機に乗ってから起きた現象と思われる。数日後に正常に戻ったとの情報もあるので、様子を見たい。

 次回は、海で使った印象をお伝えする。

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