NECと鹿島建設、重機自動化の普及を目指す合弁会社「株式会社KNC Planning」を設立

 日本電気(NEC)と鹿島建設は9月8日、建設業における労働力不足対応、現場の生産性と安全性の向上などを目的とした自動化施工システムの提供、普及、展開の可能性を検討する合弁会社「株式会社KNC Planning」を設立したと発表した。

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自動化施工システム導入後のイメージ

 資本金は4000万円で、出資比率は鹿島建設が50%、NECが50%。社長には鹿島建設 専務執行役員の高田悦久氏が就く。

 近年、建設業においても業務のデジタル化(DX)が進展しつつある。しかし、その主な対象は、工事全体の安全や品質、工程などを管理する施工管理業務になるという。KNC Planningは、自動化施工システムを活用し、現場の生産性と安全性向上のカギを握る実作業のDXの実現を目指す。労働力不足への対応など、建設業における諸問題の解決を推進していくという。

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自動化施工システムを活用した施工イメージ

 具体的には、鹿島建設が開発した自動化施工システム「クワッドアクセル(Automated/Autonomous/Advanced/Accelerated Construction system for Safety,Efficiency,and Liability:A4CSEL)」を核として、施工のDXによる業務フローの変革を図る。

 クワッドアクセルを活用すれば、管制室から複数の建設機械に作業指示を出すことができ、自動化した建設機械が無人、自律で自動運転を実行可能。

 現場での実作業の省人化と生産性向上、現場内の安全性向上を実現し、熟練技能者不足、高齢化、建設作業者の減少といった建設業界全体における課題、問題を解決できるという。生産性と安全性を飛躍的に向上できるとしている。

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クワッドアクセルを核とした自動化施工システム概要図

 KNC Planningではその前段として、施工計画の高速自動作成と最適化処理技術、計画通りに確実に休むことなく作業を行う重機の自動運転技術、遠隔地から効率よく重機を動作させる遠隔操縦技術など、さまざまな技術を内包するクワッドアクセルを汎用化、一般化するために必要な技術の精査や、コスト検討といった技術的実現性や経済的有効性を検証する。

 その上で、多方面への提供を含めて、自動化施工システムを広く普及、展開することを目的として、事業の成立性を検討する。また、新事業への賛同パートナーを広く募り、課題解決に貢献できるスキームを早期に整えていくとしている。

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