モビリティSaaS「Park Direct」(パークダイレクト)を運営するニーリーは9月5日、駐車場へのEV充電器設置に関する実証実験を開始すると発表した。利用状況などを検証し、EVの普及拡大を推進する。
実証実験は、新明和工業が管理する千葉県千葉市の駐車場にEV充電器を1台設置。充電制御方式はMode3で、定格電圧はAC200V。すべてのEV、PHVで利用可能なType1規格に対応する。
ニーリー 代表取締役の佐藤養太氏は「月極駐車場の利用者は、EV車がほしくても充電環境が整わないため諦めるケースがある。EVが普及しない原因の1つはここだと考えており、充電器の設置を推進していかなければならない」と実証実験に踏み切ったきっかけを話す。
実証実験期間は約半年を予定。実証実験時の利用料金は1分2.5円で、3時間充電すると約450円(変更の可能性あり)。利用する車は、充電料金のみを支払い、駐車料金は無料になるという。「駐車料金をいただかないことで、より多くの人に使ってもらいたい」(佐藤氏)と利用しやすい環境を整える。実証実験では、利用される時間帯や駐車時間、利用頻度、利用車両等のデータを取得することで、今後の展開に役立てていく予定だ。
ニーリーは、新明和工業から出資を受けるとともに、駐車場、自動車向けの製品、サービスの付加価値向上と利用者の利便性向上を目的とした業務提携に関する契約を結んでおり、今回も、新明和工業が持つコインパーキングの中から選定したのこと。近くに同様のEV充電スタンドが比較的多い場所を選んだとしている。
「EV充電器は、一時期のEV車ブームの時にスーパーや宿泊施設などに導入されたが、ブームが一段落してしまった今、減らしてしまっている場所もある。一方で、EV充電器を導入するには費用がかかるほか、電力マネジメントが必要になるなど課題も多い。EV充電器を増やすにしても、だれがこの負担をするのか、コストはだれが持つのかなど、不透明な部分は多い。そうした事態に備えるためにも今回データをきちんと取得し、普及への足がかりにしていきたい」(佐藤氏)とした。
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