2021年は「宇宙旅行元年」とも呼ばれる。宇宙旅行者がさまざまなビークル(乗り物)で宇宙を旅し、その数は職業宇宙飛行士を上回った。今後は確実に宇宙が一般の人たちに開かれていくだろう。
でも、日常の暮らしの中で、宇宙が身近になったと感じる機会はあるだろうか。例えば、普段行くスーパーで「宇宙発」の商品が並んでいることはあまりない。
「近くのお店に『JAXA LABEL』のロゴが入った商品が並んでいたら、『何だろう、これ』とか『へー、こんなのがあるんだ』と宇宙に興味がない人でも手に取ってもらえるかもしれない。宇宙を身近に感じてもらえるようにしたい」。そう語るのが宇宙航空研究開発機構(JAXA)の吉原亜弓氏だ。
JAXAは2022年5月、「JAXA LABEL」の始動とロゴを発表した。JAXA LABELとは、JAXAの成果を活用した商品やJAXAとの共同研究により開発した商品などをブランド化したもの。
例えば、米航空宇宙局(NASA)のスピンオフ商品では、ロケット打ち上げ時の重力緩和素材から生まれたテンピュール素材、日本でも固体ロケット分離点火技術から生まれた自動車のエアバッグなどが知られる。
企業などがJAXAに申請し認証を受けることで、JAXA LABELのロゴを付けることができる。ロゴを付けることによって企業が技術力や信頼性をアピールし、イメージアップや販売促進につなげてもらおうというものだ。
実はJAXAは2008年に同様の目的で「JAXA COSMODE(ジャクサ・コスモード)」というロゴ(商標)をスタートさせた。だが、COSMODEが作られた頃と今とでは宇宙開発を取り巻く環境は劇的に変化し、COSMODEの課題も見えてきた。
そこで新しくJAXA LABELを立ち上げることになったというわけだ。吉原氏は担当者として約2年間、JAXA LABEL立ち上げに奔走してきた人物だ。狙いや思いについて聞いた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」