中国BYDが日本に参入--「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」のEV3車種を発表

 中国の深センに本社を構えるBYDの日本法人となるビーワイディージャパン(BYDジャパン)は7月21日、日本の乗用車市場に参入すると発表した。

 これに伴いBYDジャパンは7月4日付けで、日本国内における乗用車の販売と関連サービスを提供する100%子会社となる「BYD Auto Japan株式会社」を設立。2023年1月から順次、3種類のEVを販売する。

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 BYD Auto Japanが発売を予定しているのは、最新のテクノロジーを搭載するスタイリッシュなミドルサイズのe-SUV「ATTO 3(アットスリー)」と、日常に溶け込むサイズでさまざまなライフスタイルにマッチするe-Compact「DOLPHIN(ドルフィン)」、BYDの最新技術を結集したハイエンドなe-Sedan「SEAL(シール)」の3車種。

 ATTO 3は2023年1月に、DOLPHINは2023年中頃に、SEALは2023年下半期に発売する予定だ。

 あわせてBYD Auto Japanは、販売代理店を通じて乗用車の販売とアフターサービスを提供。日本のユーザーのニーズに応えるサービス体制を構築するという。

国内EVバスではシェア7割--高い安全性と航続性能を、手に届きやすい価格で

 1995年に中国の深センでバッテリーメーカーとして創業したBYDは、ITエレクトロニクス、自動車、新エネルギー、都市モビリティの4つの領域で、グローバルに事業を展開。バッテリーやモーター、コントローラーといったEVのコアとなる技術を自社で開発、製造しており、世界70超の国と地域、400超の都市で自動車事業を展開しているという。

 2005年に設立したBYDジャパンは、国内でEVバスやEVフォークリフトなどを中心に事業を展開。国内EVバスは現在65台が運航。約7割のシェアを獲得していることになる。

 BYDジャパン 代表取締役社長を務める劉学亮氏は、「世界の70カ国地域、400以上の都市でEVバスを提供しており、2022年6月で7万台が走っている」と、世界での現状を語る。1台が1日100km走るとすると、地球を350周していることになるという。

BYDジャパン 代表取締役社長 劉学亮氏
BYDジャパン 代表取締役社長 劉学亮氏

 また、「日本の調査会社と協力して実施したアンケートでは、日本の消費者の3割がEV購入を考えているという結果が出た。同時に、『価格が高い』『インフラができていない』『走行距離が短い』『選択肢が少ない』といった回答があった」と、日本市場参入を決めた背景を説明。

 「日本の乗用車市場に参入し、高い安全性と航続性能を持つEVを、豊富なラインアップかつ手に届きやすい価格で提供する」という。

EVの課題
EVの課題

 「これからの時代は、電気自動車を買うか買わないか、ではなく、いつ買うか。日本の皆様の暮らしの未来をより良いものにするため、BYDが日本のeモビリティをみんなのものにしていきたい」(劉氏)

ディーラー店舗に注力--2025年末までに100店舗以上に

 新たに設立したBYD Auto Japanは、BYDジャパンで執行役員を務める東福寺厚樹氏が代表取締役社長を務める。

BYDジャパン 執行役員 兼 BYD Auto Japan 代表取締役社長 東福寺厚樹氏
BYDジャパン 執行役員 兼 BYD Auto Japan 代表取締役社長 東福寺厚樹氏

 東福寺氏は発表した車種の価格について、「なるべく手の届きやすい価格で提供したい」という。2023年1月に発売するATTO 3は、2022年11月ごろの発表を目指して調整を進めていると語った。

 拡販の方向性は、ウェブ販売に頼らず、ショールームとサービス施設を兼ねたディーラー店舗に注力する。2025年末までに全国47都道府県で100を超える規模で整える計画だ。

 「乗用車の購入にあたる検討プロセスはバーチャルで体験できるようになってきている。しかし、乗用車は未だにマイホームに次ぐ高額商品。顧客目線で捉えた場合、実際に見て、触って、試乗できる、相談できるプロもいる、メンテナンスも相談できる、そういった場所はカーライフに欠かせない」(東福寺氏)。加えて、ディーラーとなる店舗には急速充電器の設置を求めていることも明かした。

 2023年1月に発売するATTO 3は、2022年2月に中国で販売を開始し、シンガポールやオーストラリアなどでも販売している。

 全長4455mm×全幅1875mm×全高1615mmで、重量は1750kg、荷室容量は440L。航続距離は実測値で485km。モーター出力は150kW。カラーは「SURF BLUE/SKI WHITE/PARKOUR RED/BOULDER GREY/FOREST GREEN」の5色展開。

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 2023年ごろに発売するDOLPHINは、2021年8月に中国で発売。全長4290mm×全幅1770mm×全高1550mmで、航続距離が386kmのスタンダードと、471kmのハイグレードの2種類を展開する。

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 2023年下半期に発売するSEALは、全長4800mm×全幅1875mm×全高1460mmで、航続距離が555km。駆動方式がRWDのスタンダードと、AWDのハイグレードの2種類を展開する。

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