生き方や働き方、価値観が多様化する現代において、マネジメントのあるべき姿も変化を迫られている。しかし、いまだに「部下には指示を出すだけ、相手の意見は聞かない」というような、ひと昔前のマネジメントを続けている人もいるだろう。実際、コーチングのプロとして数多くのリーダーたちを指導してきた著者、林健太郎氏は本書で「9割の上司は、部下の本音を聞き出せていない」と語っている。
とはいえ、上司を責めても仕方ない。なぜなら、多くの上司は「部下の話を聞く方法」を教えてもらったことがなく、部下の話を聞いたからといって評価が上がるわけでもないからだ。
林氏によると、傾聴力の本質は「相手に静かな時間を与えること」であり、部下と会話をする際は「上司は黙って聞くだけでいい」そうだ。多くの上司は、部下の話を聞くよりも、自分の言いたいことを優先させてしまう傾向がある。しかし、部下の言葉をじっと待つことで、相手の「本音」を聞き出せるのだという。
上司にとって、部下の本音を聞くのは怖いものだ。会社や自分への不満だけでなく、「辞めたい」というもっとも聞きたくない言葉が出てくるかもしれない。それでも著者は、傾聴のパワーを強調する。傾聴によって、相手が劇的に変わることも多いからだ。
人は誰しも「聞いてもらいたい」という気持ちを持っている。本書を片手に、傾聴力を磨いてみてはいかがだろうか。
今回ご紹介した「優れたリーダーは、なぜ『傾聴力』を磨くのか?」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。
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