米連邦取引委員会(FTC)は米国時間7月11日、非常に機密性の高い情報の違法な使用を厳重に取り締まっていることを発表した。これは、米連邦最高裁判所が6月に「ロー対ウェイド」判決を覆したことを受けたものだ。中絶を違法とする州が増え、データプライバシーに対する懸念は高まっている。
消費者保護当局であるFTCは、匿名化されたデータに特に注意を払い、位置や健康に関する非常に機密性の高い情報を保護し、そのようなデータを悪用する企業の責任を追及していると述べた。
「当委員会は、その法的権限のすべてを駆使して消費者のプライバシー保護に尽力する」と、FTCは声明で述べた。「米国人の位置、健康などの機密データを悪用する違法行為を発見した場合は、厳格に法律を適用する」
FTCは、位置および健康データの掛け合わせから成る、特に機密性の高いデータ、つまりリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)関連の情報にも言及した。
FTCの発表は、「ロー対ウェイド」判決が覆された米国において、中絶を違法とする州で中絶などリプロダクティブに関連する医療を求めた人々を起訴することを目的に、個人データが利用される可能性が生じたことで、データプライバシーをめぐる疑問の声が挙がっていることを受けたものだ。
50年近くにわたって中絶の権利を守ってきた判決が米連邦最高裁判所によって覆されたことを受けて、月経周期管理アプリやロケーションサービスなど、個人データを利用する技術に対する懸念が高まっている。一部のハイテク企業は、中絶を希望する人々を守るための措置を講じた。例えばGoogleは、中絶クリニックを訪問したユーザーのロケーション履歴を削除することを発表している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」