睡眠トラッカーが「健康」について教えてくれること

Amanda Capritto Kim Wong-Shing (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年07月20日 07時30分

 最近は、わざわざ睡眠クリニックに通わなくても自分の睡眠パターンをおおよそ把握できる。スマートウォッチやフィットネストラッカー、あるいはスマートフォンにインストールした健康管理アプリがあれば、心拍数から呼吸数、各睡眠ステージの時間まで、睡眠に関するさまざまなデータを寝ながらにして収集できるからだ。

睡眠データのチャートを示しているスマートフォン
提供:Getty Images

 睡眠トラッカーが集めたデータを初めて見た時は、たくさんの数字とグラフに目まいがするかもしれない。しかし睡眠を記録しておくと、自分の健康状態について、これまでは全く気付いていなかった情報を入手できるようになる。このデータをもとに食事や運動習慣を見直し、ストレスを管理すれば「超人」になることも夢ではない。いや、(マッドサイエンティストでもない限り)超人は言い過ぎかもしれないが、良い気分になれることは請け合いだ。

 入手できる情報は使用するデバイスによって違うが、たいていの睡眠トラッカーは幅広いデータを収集している。今回の記事では主な睡眠データの意味と、その活用方法を解説する。

3つの睡眠ステージ

 ほとんどの睡眠トラッカーは睡眠を大きく3つのカテゴリーに分類している。浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠だ。実際には、人間は一晩に5つの睡眠ステージを巡っていると言われる。各ステージの時間が分かれば、日中のエネルギーレベルやその変動を理解する助けになる。

睡眠スデータを表示しているFitbitアプリ
Fitbitなどのデバイスは睡眠ステージごとの時間を測定してくれる
提供:Fitbit

浅い睡眠

 深い睡眠に入るためには浅い睡眠のステージを経なければならない、と指摘するのは睡眠の専門家で、栄養サプリメント会社MomentousのパフォーマンスエンジニアAllison Brager氏だ。「深い睡眠と比べると、浅い睡眠のステージは体力を回復する時間というより、最も深い睡眠ステージに至るための通過点だ」と、Brager氏は言う。

 では、浅い睡眠は何時間くらいあるだろう。意外かもしれないが、睡眠サイクルのほとんどは浅い睡眠だ。浅い睡眠は、さらに2つの段階(睡眠ステージ1と2)に分かれ、一夜の睡眠の最大60%を占める

深い睡眠

 深い睡眠に入ると、呼吸数や心拍数は下がり、身体全体がリラックスした状態になる。深い睡眠は、最も目が覚めにくいステージであると同時に、体内の組織の修復や細胞の再生といった重要なプロセスが行われる時間でもある。「深い睡眠では、あらゆる魔法が起きる」とBrager氏は言う。

 では、深い睡眠の時間はどれくらい確保すべきか。理想的には、睡眠トラッカーで調べた時に、少なくとも2、3時間はあることが望ましい。健康な成人では、睡眠時間の最大23%を深い睡眠が占めることが研究によって分かっている。この割合が10%を切ると、たとえ8時間寝ても睡眠不足の症状が出やすい。

レム睡眠

 脳波計「Muse」を開発しているテクノロジー企業、InteraXonの共同創業者であるAriel Garten氏は、レム睡眠は睡眠サイクルの最終ステージであり、人間の感情や認知に影響を与えると指摘する。

 Garten氏は「レム睡眠は、人間の繊細な感情回路を微調整してくれる」と言う。また、「起きている間に学んだ情報を理解するためにも(レム睡眠は)有効だ。記憶の回路が刺激され、新しい情報の再編成や統合、忘却が行われる」

 では、レム睡眠の理想的な時間はどれくらいなのか。米国医学研究所(現全米医学アカデミー)の睡眠医学・研究委員会によると、健康な成人の場合は一晩の睡眠の約20~25%をレム睡眠が占めるという。これより少ない場合は、情報の処理と保存が十分に行われていない可能性がある。

心拍数

 睡眠は回復のプロセスなので、睡眠中に心拍数が減るのは理にかなっているとBrager氏は言う。日中の安静時の心拍数に個人差があるように、睡眠時の心拍数も人によって違う。

心拍数データを表示しているスマートフォンを持った手
提供:Getty Images

 一般に、睡眠時の心拍数は健康体ではない人でも平常時の下限値あたりを推移する。Harvard Health Publishingによると、通常の安静時の心拍数は1分間に60〜100回だが、激しい運動をする人の場合は安静時でも1分間に40〜50回にとどまるケースがあるという。

 睡眠中の心拍数は、通常時より低くなると考えよう。例えば、日中の安静時の心拍数が70〜85回くらいの人なら、睡眠時の心拍数は1分間に70〜75回か、さらに少ないと予想される。

 もし睡眠中の心拍数が日中の安静時を下回らない、むしろ増えるという場合は、睡眠の専門医に相談した方がいい。睡眠中でも心拍数が高い時は、不安症や心房細動といった内科的、精神的な疾患が疑われるからだ。

 ただし、レム睡眠中に心拍数が上がることは異常ではない。レム睡眠中は脳が活発に活動しているため、心臓の動きも活発になることがある。とはいえ、日中の通常の心拍数を大幅に超えることはない。

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