米連邦通信委員会(FCC)のBrendan Carr委員がAppleとGoogleに対し、人気の高いソーシャル動画アプリ「TikTok」は「国家安全保障上の深刻な脅威」であるとして、それぞれのアプリストアから削除するよう要求している。
Carr氏は米国時間6月28日、「TikTokは、表面的な見かけを偽っている。ただ面白い動画やミームを共有するだけのアプリではない」と記された、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏とGoogleのCEOであるSundar Pichai氏に宛てた6月24日付の書簡をTwitterに投稿した。
Trump政権時に指名された共和党系委員のCarr氏はこの書簡の中で、TikTokは「膨大な量の個人データや機密データを収集する、高度な監視ツールとして機能している」と述べた。同氏は、両社に対し、同アプリをダウンロードできないようにすることを強く促した。
TikTok is not just another video app.
— Brendan Carr (@BrendanCarrFCC) June 28, 2022
That’s the sheep’s clothing.
It harvests swaths of sensitive data that new reports show are being accessed in Beijing.
I’ve called on @Apple & @Google to remove TikTok from their app stores for its pattern of surreptitious data practices. pic.twitter.com/Le01fBpNjn
書簡には、AppleとGoogleのアプリストアのポリシーに違反しているとする、TikTokのさまざまな慣行が列挙されている。Carr氏は、TikTokの米国ユーザーのデータが中国で従業員によってアクセスされているという、Buzzfeed Newsの6月の記事にも言及している。
TikTokを運営する北京の字節跳動(バイトダンス)に、こうした嫌疑がかけられるのは初めてではない。米議員や規制当局は何年も前から、同プラットフォームによるユーザーの個人データの収集と保護に関する懸念を表明してきた。同アプリは、米政府が供与する多くの端末で既に禁止されており、2020年には、Trump政権がバイトダンスに対し、TikTok事業の売却を命じた。しかし、Biden政権はこの強制売却を保留した。
TikTokは6月に入り、懸念を払拭(ふっしょく)するため、米国のユーザーデータを米国にあるOracleのクラウドサーバーに移管することを明らかにした。しかし、Carr氏は、その移管によって同氏の書簡に記した懸念は払拭されなかったと述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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