デジタルガレージは6月14日、「Web3」をテーマにしたカンファレンス「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2022」を開催した。基調講演にはデジタルガレージ取締役兼専務執行役員を務める伊藤穰一氏が登壇した。
伊藤氏はWeb3について、約7000年前のメソポタミア文明における「台帳」の発達、そして13世紀から14世紀初頭にイタリアで発明され、資本主義発達のきっかけになったとされる「複式簿記」の登場に匹敵する社会的インパクトがあると述べた。
また、Web3で注目されている、中央管理者がいないブロックチェーンの仕組みを利用した「DAO」(自立分散型組織)についても言及。「『DAOって株式会社と同じじゃん』とたまに言われるんだけど…」と前置きしつつ、DAOの特長について「インターネット上で簡単に設立できる点」を挙げ、次のように説明した。
「みんなで飲み屋に行くときにDAOを作って、トークンを発行して(飲み代金の)お金を集めて、お店に入って、飲み終わったらDAOを解散できる。飲み会が楽しくて『もっと人を増やして、その飲み屋を買っちゃおうよ』となるなら、そのDAOを継続することもできる。これが株式会社の設立なら、銀行口座や弁護士、ハンコなどさまざまな準備が必要になる」(伊藤氏)
さらに伊藤氏は、香港のブロックチェーンベースのゲーム企業「Animoca Brands」の共同創業者で、同社の代表取締役社長も務めるYat Siu氏とも対談した。
対談では、Web3エコシステムにおける日本の立ち位置について伊藤氏が尋ねると、Yat Siu氏は「日本には食やアニメ、コンテンツといった重要な資産がある。これをトークンの枠組みを使ってWeb3の中に解き放つことができる。Web3というものはまさしく日本のためにあるようなものだと思っている」と語った。
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