Facebookを運営するMetaは、メタバースに大きく賭けている。メタバースとは、人々が働き、遊び、社交する仮想世界だ。しかし、製品の開発中止に関する報道が相次いでいることは、その賭けが実を結ぶ前に、同社がいくらか時間をとるつもりであることを示唆している。
Metaは、拡張現実(AR)グラスの最初のバージョンを2024年に一般発売する計画を破棄し、代わって2つ目のバージョンに注力する意向だと、The Informationが従業員宛てのメモを基に、事情に詳しい関係者らの話も聞いたとして報じた。Metaがデュアルカメラ付きスマートウォッチの開発を停止したことも、Bloombergが報じていた。その記事では、同社がビデオチャット端末「Portal」を消費者ではなく、リモートワークの社員がいる企業向けに販売する計画だとも伝えていた。
これらの延期は、消費者が期待していたよりも長く、Metaの独自ウェアラブルデバイスを待たなければならない可能性が高いことを意味し、消費者向けデバイスに注力する中で同社が直面する課題を浮き彫りにしている。スマートウォッチやARグラスなど、まだスマートフォンほど普及していないウェアラブルデバイスは、人々がメタバースにどのように参加するかというMetaの構想において重要な要素だ。Metaは、莫大な収益を生み出す広告事業と世界最大規模のソーシャルネットワークを構築しているが、ハードウェア開発に関しては、Appleやサムスンのような評判は得ていない。
Metaの最高技術責任者(CTO)でハードウェアプロジェクトを統括するAndrew Bosworth氏は米国時間6月9日、Metaが今でも、腕に装着するウェアラブルデバイスやARグラスなどのハードウェアをリリースする計画だとツイートした。
「画期的な製品への道のりは一直線ではない。われわれの業界でよくあるように、複数のプロトタイプを並行して繰り返し試作し、学習しながらリソースをシフトしていく」(同氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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