ビジュアル探索ツールのPinterest、広告事業を開始--未来志向の「ポジティブ」な広告を

 ビジュアル探索ツール「Pinterest(ピンタレスト)」を展開するPinterestは6月1日、同日から日本で広告事業を開始すると発表した。

 Pinterestは、やりたいことや買いたいもののアイデア探しの場として利用されている。そうした中で、静止画、動画を含めた複数の広告フォーマットやターゲティングオプションなどを用意。新たなユーザーにリーチできるとしている。

静止画や動画のほか、横全画面に表示するワイド広告、“アイデアをめくれる”カルーセルなど、さまざまな種類を用意する
静止画や動画のほか、横全画面に表示するワイド広告、“アイデアをめくれる”カルーセルなど、さまざまな種類を用意する

 今回の事業は、広告プログラムの世界的な拡大の一環で、欧州や中南米に続くもの。さまざまな事業規模の広告主が、全世界で毎月4億人が利用するPinterestユーザーに向けて、自社の商品やサービスに紐づいた情報やコンテンツを紹介できるようになる。

 また、同日からは新機能「Pinterest カタログ」を提供。eコマースプラットフォーム「Shopify」との連携も日本を含めたものに拡大し、広告事業と合わせて展開していく。

ポジティブな反応が期待できる“未来志向のプラットフォーム”

 Pinterestは、レシピや家、スタイル、旅行先といったさまざまなアイデアを保存できるプラットフォーム。次にやりたいアイデア、アクションを探しながら“ボード”に“ピン”していく感覚で収集できる。

 2020年12月時点の日本国内月間利用者数は約870万人で、フード、インテリア、ファッション&ビューティーのカテゴリーが牽引する。日々300万件のアイデアが保存されており、2021年の日本国内における検索率は32%増加したという。

 ピンタレスト・ジャパン 日本担当カントリーマネージャー 成田敬氏は、「検索のキーワードはブランド、プラン、プロダクトといった特定の名前を含まないものが97%を占める。まだ何を買うかまでを決めていない方に、早い段階から広告を表示できる」とPinterestの広告の特徴を説明。いわゆる広告というよりはアイデアの1つとして表示できるため、オーガニックコンテンツ同様のポジティブな反応が期待できるという。

ピンタレスト・ジャパン 日本担当カントリーマネージャー 成田敬氏
ピンタレスト・ジャパン 日本担当カントリーマネージャー 成田敬氏

 また、「ユーザーの体験を阻害、もしくは不快感を与える可能性がある、デメリットがある広告をなるべく抑えている」(成田氏)と説明。ほかのSNSプラットフォームと異なり、ユーザーのアイデアにつながる、“未来”に向けた広告事業の展開を強調した。

新機能と連携拡大で日本での事業開始を後押し

 日本での広告事業開始とあわせ、同日から新たにPinterestへ商品情報をアップロードした際に各企業が保有する商品カタログのメタデータと連携、自動的に「プロダクトピン」を作成する「Pinterest カタログ」の日本での導入を開始する。

 プロダクトピンは、ブランドのウェブサイトに掲載している最新の価格と在庫状況、商品名、説明文を確認でき、購入可能な商品であることが一目でわかるフォーマットのピン機能。各企業の自社ウェブサイトの商品ページに直接リンクでき、ユーザーは数クリックで商品を購入できるようにする。

 プロダクトピンは検索結果やホームフィード、似ているピンなどのおすすめ表示、Pinterestの画像検索タブといったPinterest内のさまざまな箇所に表示するため、多くのユーザーの目に留まるとしている。

 また、eコマースプラットフォーム「Shopify」とのパートナーシップを日本へ拡大する。

 Shopifyを利用する日本の小売業者はShopifyのPinterestアプリを活用し、タグの配置、カタログの読み込み、広告購入インターフェースなどのPinterestのショッピング機能にアクセスできるという。コードの編集など不要で、Pinterestへの商品情報のアップロード、プロダクトピンの作成、配信、分析などができるとしている。

31カ国目の成功へ

 Pinterestは、2015年度の米国での展開を皮切りに、欧州、中南米といった英語圏を中心に30カ国で広告事業を展開。米国での第1四半期の売上高は2021年同期比18%増の5億7500万ドル、そのほかいずれの国でも売り上げは伸長する状況だ。

 日本での本格的な広告事業開始に先駆け、3月から国内外の広告出稿企業50社、代理店10社などの“広告主ベータパートナー”へのベータ提供を開始。成田氏は、BAYCREW'S、Cowcamoなどの実名を紹介しながら、「誘導率や購買率、購買単価が高いといった評価をいただけている。海外同様の結果を広告主にお届けできている」と説明。オーストラリアを除いたアジア太平洋地域では初めて、31カ国目となる日本での展開に自信を見せた。

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