中部国際空港で遠隔運転の実証実験--JALの貨物牽引車を名古屋市内から操作

 ソリトンシステムズは5月19日、日本航空(JAL)および、中部スカイサポート(CSS)の協力の下、中部国際空港の制限区域内において、トーイングトラクターに対する遠隔運転の実証実験を5月23日から実施すると発表した。

システム概要図
システム概要図

 トーイングトラクターは、空港制限区域内において、空港貨物や乗客の手荷物の運送用コンテナを牽引する車両。今回の実験では、JALが現在運用中の車両をベースに、同社が開発した遠隔運転操縦システムを搭載する。名古屋市内に設置されたソリトンシステムズの遠隔センターから、中部国際空港内での運転資格を有するCSSの社員が、遠隔で運転操作を行うという。

遠隔運転トーイングトラクター
遠隔運転トーイングトラクター

 障害物検知警告などの機能を具備した遠隔システムにより、空港外の運転者が空港内の当該車両の走行状態、周辺状況を認知、判断して遠隔から運転操作を実施する。

遠隔センター(遠隔運転操縦装置)
遠隔センター(遠隔運転操縦装置)

 今回搭載する遠隔運転操縦システムは、これまで公道などでの実証実験を通じて培ってきた遠隔運転並びに、遠隔型自動運転の技術をトーイングトラクターに向けて応用開発したものとなる。

 トーイングトラクターと遠隔センター間の回線には、通信会社が異なる3回線の商用LTE/4G回線を活用。さらに、映像通信の高安定と超短遅延を可能とするソリトンシステムズの映像伝送装置「Smart-telecaster Zao」シリーズを利用する。

 3社は、実証実験を通して遠隔による運転操作の実効性および、走行安全性の評価、確認を行い、トーイングトラクターの空港内運用における生産性の向上に資する役割を検証、確認する。

 今後は、自動運転機能との相互補完を含む遠隔システムの一層の最適化と、その実運用に向けて、技術、運用の両面から引き続き取り組んでいくという。

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