A3をスマートフォンと接続した場合、インターフェースには設定管理用のバーチャルボタンに加えて、シンプルなAndroidアプリ用のランチャーが表示される。例えばYouTubeを立ち上げると、このアプリを仮想空間に固定するためのカーソルが現れ、音量や画面の輝度を調整するためのバーチャルボタンがアプリの周囲に表示される。こうしたボタンは画面上に常駐するため、アプリ体験の没入感は損なわれるが、インターフェースを制御するためには必要なものだとレノボは言う。
文字入力(ARのキーボードよりスマートフォンのキーボードを使った方が効率的)やオブジェクトの操作は、スマートフォンの画面をトラックパッドとして使った方が早いように思えるが、レノボがスマートフォンへのアクセスを想定していないことも理解できる。スマートフォンの画面を見るためには、どうしてもA3のディスプレイから目を離さなければならないからだ。
A3の初期設定では、オブジェクトを見つめることで仮想空間内での操作を行うようになっている。この方法がうまくいくアプリもあるが、YouTubeなどの動画アプリでは問題が起きた。受動的視聴を続けていると、画面が一時停止してしまうのだ。結局筆者は、仮想ボタンをクリックする際はA3本体の物理的なアクションボタンを使うようにすることで、 この問題を回避した。これにより、仮想空間内での操作もスピードアップした。
重要な機器を修理するといった、負荷の高い作業の最中に動画や参照資料を見るためのアプリなら、すでにたくさんある。しかし、3Dホログラムはスマートグラスならではの機能だ。A3のスマートフォン用のインターフェースでは、さまざまな仮想オブジェクトのビューワーを起動できる。ビューワーには、レノボの提携企業であるDucatiのレーシングバイクなどが最初から登録されている。筆者の家のリビングルームにも、明るく精細な映像が映し出され、さまざまな角度からオブジェクトを眺めることができた。バイクの分解図も表示され、拡張現実(AR)がもたらす視覚化の威力を実感した。
ときおり晴れ間がのぞく午後にA3を屋外で使ったときは、とりわけ解放感があった。A3も問題なく動作した。レノボによると、A3は防水規格のIP54に準拠しており、さらに補助電源とつなぐためのY字ケーブルも用意されている。スマートグラスと接続するとスマートフォンのバッテリーの減りが激しくなるため、これは便利だ。moto g100と違い、モトローラの最新のフラッグシップモデル「motorola edge+」はワイヤレス充電に対応しているため、いずれは外出先でもAR体験を長く楽しめるようになるだろう。
総括すると、A3はよく考えられた端末であり、対応機種のスマートフォンと組み合わせれば快適かつ容易に扱うことができる。Androidアプリとの互換性もある。ただし、Androidアプリはタッチ式のインターフェースを想定した設計となっているため、操作はやややりづらい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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