高級ホテル・旅館の予約サイト「一休.com」を運営する一休は4月19日、宿特化型SNS「YADOLINK(ヤドリンク)」を開始すると発表した。好みの宿泊体験を写真から見つけられる。同日からサービスを開始しており、アカウント開設は無料。スマートフォンから閲覧、投稿ができ、PCからは閲覧のみ可能になる。
YADOLINKは、社員の提案からスタートした新規事業。このサービスを立ち上げた一休 新規事業本部YADOLINK事業部長の佐藤亮介氏は「1年半ほど前から頭の中で想起していた。以前はFacebookなどのSNSに旅行に行った時の写真などが上がっていたが、最近のFacebookはまた違うような使い方をされてきている。ユーザーインタビューなどをしてみても、SNSで旅行に行った先の投稿をするのは『リスクを感じる』という人が多かった。しかし旅先で最も信頼できるのは地元の人と、実際に行った人の情報。宿泊先を軸に周囲情報が得られるのは重要なツールになると思う」と立ち上げのきっかけを話した。
サービス内の画像はすべて、ユーザーが撮影したもの。テスト期間中に一休の社員と一部の一休ユーザーに投稿を開放しており、すでに多くの画像が並ぶ。「今週のタグ」としてテーマを設けるほか、「客室露天風呂」「オーシャンビュー」「夜景」などのタグ機能によって絞り込みができ、スタイルにあった宿探しが可能だ。
佐藤氏は「実際に宿泊してみた人の情報が掲載されているので『和室は段差がなくて安心』『子ども用の浴衣がバラエティがあって楽しい』など、リアルな声が集まっていることが特徴。一概に子連れ旅行と検索しても、客室露天風呂があるなどハードの情報は出てくるが、宿側がどれだけウェルカムな状態なのかはわからない。そうした貴重な情報を集約、整理できたらいいなと考えている」とYADOLINKの方向性を示す。
サイト上には「ブックマーク」機能を備え、お気に入りの宿を管理、検索、予約ができるほか、1つの投稿で9枚までの画像をアップロードできるため、周辺観光やグルメなど、旅先でのアクティビティ、食事、立ち寄りスポット情報の収集も可能だ。
佐藤氏は約1年ほどTwitterを使って宿泊先や旅先の情報を発信。その投稿を見て、泊まってきた、行ってきたという人が増えてきたという。「最初はテストとして実施していたが、反応があると喜びも大変も大きい。オフラインでおすすめの宿泊先などを聞かれることも多いが、これをオンライン上でも実現できることがわかった」と旅先の情報をシェアする喜びを話す。
インスタグラムのハッシュタグ検索など、画像を軸に検索方法はSNS上でもあるが「インスタでは探せる宿泊先にかなり偏りがある。老舗旅館などインスタでは見つけづらい宿泊先情報も提供していきたい」(佐藤氏)と強みを説明する。
現在、一休.comとの会員連携などはしていないが「検討を進めている状態」(佐藤氏)とのこと。一休.comで掲載している宿泊先であれば、予約時に一休.com経由で予約ができ、それ以外の宿泊先については宿のウェブサイトにリンクをはるなど、旅行業界全体の活性化を目標に据える。
企画自体は2021年9月に社内でプレゼンし、11月から開発をスタート。エンジニアなど担当するスタッフは社内で公募し、現在4人体制で開発を進めているとのこと。今後は10万人の会員登録を目指すとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果