ソフトバンクは4月7日、5G(第5世代移動通信システム)の基地局の整備に関わる設備投資に資金使途を限定したソーシャルローン(シンジケートローン形式)により、最大350億5948万7624円を調達すると発表した。
貸付は、MIZUHO BANK EUROPE N.V.、SMBC BANK INTERNATIONAL PLC、MUFG Bank(Europe)N.V.、CRÉDIT AGRICOLE CORPORATE AND INVESTMENT BANK。契約締結日は2022年3月31日で、最終返済日は2031年1月31日。フィンランドの輸出信用機関「Finnvera Oyj」が借入金の90%を保証している。
ソフトバンクは、持続可能な社会づくりに貢献するためのコンセプト「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」のもと、5GやIoT、AI(人工知能)などのテクノロジーと強固な事業基盤を活用し、社会課題の解決と企業価値の向上を目指している。そのために、同社と同社の子会社が注力すべき6つの重要課題(マテリアリティ)を特定。SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みに力を入れているという。
同社によると、6つのマテリアリティのうち、「DXによる社会・産業の構築」「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」「オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出」「質の高い社会ネットワークの構築」への対応として、5Gのネットワークの整備を進めている。
同社では、高速・大容量、高信頼・低遅延、多数同時接続の通信を実現する5Gは、自動運転や遠隔医療、スマートシティなどの革新的なサービスや産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤として重要なインフラであると認識。5Gの基地局の開設に独自開発したシステムを活用し、基地局の各種設定や通信試験、電波発射準備などのインテグレーション業務を自動化・効率化している。同社の5Gネットワークは、2022年3月末時点で人口カバー率が90%を突破しているという。
今回の資金調達は、5Gのネットワークをさらに強化し、さまざまな社会課題の解決に貢献することが目的であり、同社が推進するサステナビリティファイナンスの一環になるという。また、調達資金の使途、調達資金の管理および、レポーティングに関する方針を定めたソーシャルローン・フレームワークを策定。同フレームワークは、ソーシャルローン原則の2021年版(英Loan Market Association/Asia Pacific Loan Market Association/米Loan Syndications and Trading Association)との適合性に対するオピニオンを、独立した外部機関である格付投資情報センターから取得しているという。
同社は、2022年1月にサステナビリティボンド(通称「HAPSボンド」)を発行。誰もが安定した通信ネットワークにつながる社会を実現することを目的に、成層圏から広域エリアに通信ネットワークを提供する成層圏通信プラットフォーム(High Altitude Platform Station)事業に充当する資金を調達していた。
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