ソフトバンクロボが100億調達で1位に--2022年2月の資金調達・時価総額ランキング

 フォースタートアップスは3月9日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2022年1月1日から2月28日までを対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。

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 それによると、1位のソフトバンクロボティクスグループや2位のサイカのほか、Synspective、サイアス、UPSIDER、ベースフード、iCARE、HRBrain、ファーストグループ、京都フュージョニアリング、カケハシ、アルプ、booost technologiesの計13社が新規ランクインしている。

 1位のソフトバンクロボティクスグループは、2022年2月にアイリスオーヤマを引受先とする100億円の第三者割当増資を実施。同時に、ロボット市場における中長期的な需要創造と社会課題解決を目指すことを目的に資本業務提携を締結している。調達した資金はロボットの開発費に充てる方針。

 また、ソフトバンクロボティクスグループとアイリスオーヤマは、2021年2月に法人向けサービス、ロボット分野の市場に本格参入するため、合弁会社としてアイリスロボティクスを設立。法人向けサービス、ロボット分野における業務設定コンサルティングや定着化支援など、業務のロボット化に関するトータルソリューションを提供している。

 2位のサイカは、マーケティングSaaSアプリケーション「ADVA MAGELLAN」を開発、運営する企業。シリーズEラウンドにおいて、みずほキャピタル とシニフィアンが共同で運営するTHE FUNDをリード投資家に、国内外の機関投資家を引受先とする37億円の資金調達を実施。累計調達額は59億円に到達した。

 調達した資金は、「ADVA MAGELLAN」を成長させるため、人、組織、文化などの組織強化に充てるという。

 11位にランクインしたベースフードは、2月にみずほキャピタルとシニフィアンが運営するTHE FUNDを引受先とする第三者割当増資により10億円の資金調達を実施。加えて、りそな銀行と三井住友銀行、三菱UFJ銀行、商工組合中央金庫から10億円の融資を受け、総額20億円を調達している。

 ベースフードは、完全栄養食品「BASE FOOD」を提供。全粒粉や大豆、チアシードなど、10種類以上の原材料を使用し、栄養バランスとおいしさを独自の配合と製法により実現している。今回調達した資金は、既存商品のアップデートと新商品開発の加速、人材の採用強化に充てる方針だという。

 累計資金調達金額では、トップ20にランクインしている企業のうち100億円を超えている企業は、エリーパワーとソフトバンクロボティクスグループ、ビットキー、Synspectiveの4社となった。

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 8位のSynspectiveは、登記簿より2021年以降に70億7990万円の資金調達を確認。これにより、累計資金調達金額は180億円に到達している。

 衛星データを用いて広域の地盤変動を解析し、その結果を提供するソリューションサービス「Land displacement monitoring」などを提供。2月には、自社2機目の実証衛星である小型SAR衛星「StriX-β」の打ち上げを発表している。

 2023年末までに計6機の衛生を軌道上へ打ち上げ、2020年代後半には30機のコンステレーションにより広範囲、高頻度の地上観測を可能にするシステムの構築、運用を目指す。

 なお、3月3日時点では、2月における資金調達金額の中央値は2億9960万円、平均値は7億716万円、資金調達金額合計金額は445億5120万円。いずれも一部融資や社債での資金調達を含む。

HIROTSUバイオサイエンスなど3社の評価額が増加

 フォースタートアップスは、2022年3月4日時点での「国内スタートアップ評価額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業、上場もしくは上場予定企業は除外されている。

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 3月の国内スタートアップ評価額ランキングでは、Global Mobility Serviceが20位に新規ランクインした。他のランクイン企業の顔ぶれに変化はないものの、HIROTSUバイオサイエンスとアストロスケールホールディングスの評価額が上昇。企業評価額が1000億円を超えている企業は10社で、ランキングの半数を占めている。

 なお、リキッドグループは、2022年2月に公表した暗号資産取引プラットフォーム「FTX.COM」を運営するFTX TradingからのM&Aを3月に入って実行。ランキングから除外されている。

 10位のHIROTSUバイオサイエンスは、登記簿により2022年1月末の資金調達を新たに確認。これにより、評価額が先月より約1億円上昇している。

 11位のアストロスケールホールディングスは、登記簿より約8億3000万円の資金調達を確認。評価額は995億円となった。同社は2月、欧州宇宙機関(ESA)元長官であるJan Wörner氏と、弁護士の野口祐子氏が社外取締役に就任したことを発表。両名は成長戦略、技術ロードマップ、法規制、事業開発、内部ガバナンスに関する助言を行う見込みだという。

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 今月は、HIROTSUバイオサイエンスとアストロスケールホールディングスに加え、HIKKYの計3社の累計資金調達金額が増加している。

 世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」を運営するHIKKYは、メディアドゥを引受先とする5億円の第三者割当増資を実施し、同時に資本業務提携を締結している。

 これにより累計資金調達金額は70億円に到達した。調達した資金は、自社で開発するスマートフォンおよび、PCブラウザ上で動くVRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud」を中心としたVR関連サービスの開発体制の強化や、組織基盤強化などに充当する方針だという。

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