SDPの完全子会社化に関する説明のなかで、戴会長兼CEOは、「私の使命」と題して次のようにも述べている。
「かつてのシャープは、世間から『1.5流の家電メーカー』や『顔の見えない会社』と言われてきたが、2001年に液晶テレビAQUOSを発売して以降、『液晶のシャープ』として栄光の時代を築くことができた。その後、経営危機に陥り、2016年8月に私が社長に就任し、この時、私は、創業の精神である『誠意と創意』を継承し、さまざまな独自商品やサービスを提供し続けることで、シャープの栄光を再び取り戻すことを自らの使命とし、経営基本方針に『輝けるグローバルブランド』を目指すことを掲げた。その後、シャープのロゴに『Be Original.』を追加したのは、私の決心の証でもあった」とした。
その上で、「経営者の能力と決心力が、企業の命運を決める」とし、「世間で言われるように、大型液晶事業は市況の変動が激しく、コントロールの難しい事業ではあるが、私は、企業経営は、経営者の『能力』と『決心力』によって結果が左右されると考えている。実際にこれまでに、いくつもの有言実行を積み重ねてきた」と述べ、「DynabookやシャープNECディスプレイソリューションズは、もともとは赤字で、それぞれの親会社の事業戦略から外れた。だが、シャープの子会社化後には、短期間で黒字転換することができた。また、2020年10月にジャパンディスプレイの白山工場を取得する際にも、社外からさまざまな否定的な見方があったが、結果として、順調な稼働を維持し、黒字経営が続いている」と語った。
戴会長兼CEOは、「企業経営は、短期的な利益のみを追求するのではなく、長期的視点に立って、社会と国家の発展に貢献することが大切である。SDPの完全子会社化の決定に対して、今後、社外からさまざまな意見があると思うが、企業経営は、日々の株価の変動や外部の評価に左右されるのではなく、長期的視点に立って行うものであり、正しい経営を行っていれば、ステークホルダーの信頼は自然と高まっていくものと私は考えている」と断言した。
今回のメッセージのタイトルは、「さらなる成長に向けて」とした。
戴会長兼CEOが取り組んできたシャープ再建の成果や、その経営姿勢や考え方を新たな経営体制に継承するとともに、次の成長を託す思いを込めたタイトルといえるだろう。
なお、メッセージのなかでは、2月8日に発表した2021年度第3四半期決算についても触れた。
「第3四半期については、サプライチェーンの混乱が継続している影響もあり、営業利益は前年同期を下回ったものの、最終利益では前年同期比1.6倍の増益となった。セグメント別に見ると、8Kエコシステムとディスプレイデバイスが増収増益、その他の3セグメントは減収減益となったが、スマートライフは引き続き2桁の高い利益率を確保。ICTとエレクトロニックデバイスは前期からは増益となっており、5セグメントすべてで黒字を確保した。また、第3四半期までの業績及び直近の状況を踏まえ、2021年度通期業績予想を修正するとともに、配当金の増額(予定)を発表した」と報告。「足元の事業環境は一段と厳しさを増しているが、修正した業績予想の達成に向け、残り1カ月半、全社一丸となってがんばろう」と呼びかけた。
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