パイオニアは2月10日、音声で操作する新たなナビ「NP1(エヌピーワン)」を発表した。車のフロントウインドウに取り付け、ドライバーと対話しながら目的地に導く。発売は3月2日。通信とサービス利用料1年分が付く「ベーシックプラン」(税込価格:6万5780円)と通信とサービス利用料3年分が付く「バリュープラン」(同:9万3500円)を用意する。
NP1は、300ミリリットルのペットボトルほどのサイズの本体に、マイクとスピーカー、前方、車内/後方カメラ、ライトバー、操作ボタンなどを一体化したナビゲーションシステム。モニターは付属しておらず、目的地の設定や近くの施設検索などは「NP1(エヌピーワン)、近くのアウトレットを探して」など話しかけることでできる。走行中は「コンビニを左です」「10分程度、道なりです」など音声案内のみでナビゲーションすることが特徴だ。
スマートフォンの高機能化や車載機器の増加など、車内で使用する機器が増えるにつれ、操作は複雑になってきている。目と手を運転に集中させる中、パイオニアでは耳と声に着目。音声を主軸にして開発したナビゲーションがNP1になる。
開発では発話構成をいちから見直し、道路の形状や目印になるものを声で案内する形へと変更。コンビニエンスストアや信号、踏切といったスポットを案内することで、安心して運転できるようサポートする。
「今どこ」と問いかけると場所を答えてくれるなど、リアルタイムでのやり取りができることで安心感が得られるなど、「助手席で人が案内してくれるようなわかりやすさ」を目指した。
本体にはLTEのSIMカードを備え、クラウドとの常時接続を実現。そのため、リアルタイムな交通情報と過去に蓄積したプローブデータから、渋滞や料金を考慮した最適ルートを提案するほか、空いている駐車場を案内するなど、高度な検索機能を装備。地図は常に最新のものへと自動更新される。
これまでの走行データや曜日、日時、目的地を加味することで、走りやすいルートを提案するなど、使い続けることで独自のカスタマイズが可能。時間や位置、地図を組み合わせ、名所や日没の時刻などの情報を教える「ドライブトピック」機能も搭載するが、名所案内などは、2日続けて通ったルートは案内しないなど、学習機能を備える。
専用アプリ「My NP1」を使えば、地図表示や目的地までの距離などをスマホ画面でサポート表示することも可能。本体のカメラによる、ドライブレコーダー機能も備えるが、録画されたコンテンツもアプリから確認できる。
パイオニア 代表取締役兼社長執行役員の矢原史朗氏は「NP事業は四輪車だけでなく、二輪車向けのプロダクトも検討している。音声で操作する特徴を活用して、これまでにないような商品を開発中だ。ターゲットとして見ているのは四輪車の世界保有台数の15億台と二輪車7億台。この巨大市場をにらみ、3年後には300億円、2030年には1000億円規模というアグレッシブな目標を見据えている。特に力を入れているサービス事業の収入がハードウェアを凌駕するレベルになれば、パイオニアは再上場を狙える会社になることも可能だと社内では話している」とコメントした。
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