災害情報などを複数言語で読み上げる「Virtual Talking Head」--マリンFMなどで採用へ

 横浜マリンエフエムと横濱ベイサイドギターワークスは2月7日、47言語に対応した機械翻訳と音声合成を活用した原稿読み上げサービス「Virtual Talking Head」を開発したと発表した。

 
 

 横浜市中区を拠点とするコミュニティー放送局「マリンFM(86.1MHz)」をはじめ、神奈川県内のコミュニティー放送局での採用・運用が決定。同時に、一般販売も開始する。

 Virtual Talking Headは、災害時における地域に対する情報提供が重要となるコミュニティ放送局や、自治体の防災無線をはじめ、イベント会場・国際会議場といった多種多様な人々が集まる場所で、臨機応変なアナウンスを多数の外国語で伝達(放送)すること目的に開発した。

 人材確保や維持にかかる工数や費用を大幅に削減できるだけでなく、緊急時における日本語と外国語での提供される情報量、精度の差違を最少化できる原稿読み上げサービスという。

 最新のパブリッククラウドサービスを活用することで、日本語の文章を複数の外国語に同時翻訳すると共に、読み上げ音声もリアルタイムに生成。放送時の外国語による同時原稿読み上げを実現した。

 加えて、使う場所や環境に依存せず、有事でも使えるように専用ソフトではなく、Webサービスとして開発している。なお、原稿の入力や読み上げ音声を再生するまでの操作が煩雑にならない、シンプルな構成を採用している。

 なお、必要システムは、Google Chromeが稼働するPC(Windows/macOS)。さらに、インターネット接続は必須となる。

 横浜マリンエフエムによると、2019年に猛威を振るった台風15号と19号が立て続けに上陸した際、外国語で避難所の開設や避難勧告を伝えたくても、重なる悪天候などの影響で原稿を翻訳したり読み上げたりできるスタッフが確保できず、ほとんどの情報を日本語でしか伝えられなかったという。

 
 

 その結果、横浜市内最大の在留外国人を擁する地域のコミュニティー放送局でありながら、有事での外国語対応に脆弱性があることを深く認識。こうした経験をきっかけに、実際の現場体験から仕様などの構想をまとめ、技術パートナーである横濱ベイサイドギターワークスが製品の企画策定・実装開発を開始した。

 同サービスはすでに、エフエムさがみ(FM HOT 839/83.9MHz)、海老名エフエム放送(FMカオン/84.2MHz)、かわさき市民放送(かわさきFM/79.1MHz)などが導入している。

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