カヤックは2月8日、IT起業家の関口舞氏と共同で、SNSでの誹謗中傷などのトラブルに悩む人のための体験・裁判例共有サイト「TOMARIGI(トマリギ)」を公開した。
同サイトは、SNSトラブルにあった際に、過去の裁判例や具体的な対処法から、ユーザーによる体験談まで、悩みを抱えている人が今すぐ必要な情報を一元化しているのが特徴で、「#個人へのデマ」「#暴言」などの裁判事例が検索可能。裁判事例は、弁護士監修のもと、過去5年間の裁判例を中心にSNSでの誹謗中傷に関する裁判例を抽出しており、できる限り、やさしくわかりやすい言葉に置き換えられているという。
さらに、誹謗中傷を書かれたり、デマを流されたり、SNSでのトラブル被害を受けた際に、「無視する」「記録を取る」など今すぐできることから、「サイトやSNSの管理者に削除依頼をする」「発信者情報開示請求をする」など具体的な対処法についても紹介する。
同社では、自身の体験を誰かに共有しても、それに対する批判的な言葉により、また傷ついてしまうかもしれないと、書き込みを躊躇することを想定。そこで、体験の投稿に対してのコメントや質問には対応せず、つらい思いを打ち明けられるように、「気持ちわかるよ」「わたしは味方だよ」「同じ体験したよ」という共感リアクションだけができるように設計した。さらに、投稿時には動物が共感するアニメーションが流れ、投稿した人の気持ちを癒やすギミックを用意する。
TOMARIGIは、JT(日本たばこ産業)がパートナーシップを基盤に取り組む地域社会への貢献活動「Rethink PROJECT」の一環として企画されたもので、「TOMARIGI」という名称には、傷ついた羽を休めるためのよりどころでありたい、という願いが込められているという。また、若年層でも、見やすく、わかりやすいUI/UXにこだわり、ペールトーンや動物のイラストなどで、ぬくもり・あたたかさを感じられるサイトを目指しているという。
なお、有識者会議や被害者などへのヒアリング、相談体制の整備、児童生徒向けの「ドラマ仕立ての動画教材」など、SNS誹謗中傷に対して先進的な取り組みをしている群馬県が、TOMARIGIの活動に賛同。群馬県の誹謗中傷相談窓口のページにて、同サイトが紹介されるという。同社では今後も、賛同自治体や学校などを募り、SNS誹謗中傷に苦しみ、傷ついた人の声や体験を発信することで、SNSのあり方を考える機会を提供するとしている。
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