DAZNは1月25日、DAZN2022メディアラウンドテーブルを開催した。2016年のサービス開始から5年間を振り返ったほか、2月22日に実施する月額利用料の値上げについても言及した。
DAZN 日本社長&マネージングディレクターの中村俊氏は「DAZNは2016年に立ち上がり、日本では8月にサービスを開始。当時は黒船と揶揄された。そこから5年が経ち、当初4カ国だった配信地域は、200以上の国と地域にまで拡大し、スポーツメディアとして全世界をほぼ網羅したと思っている。コンテンツ数はグローバルで約8.5倍に増え、その内日本での配信数は約1万2000。2016年比で約8倍まで増えた」と振り返った。
コンテンツ数の増加とともに、ユーザー一人あたりの視聴時間もサービス開始時より約4.7倍に増えたとのこと。2021年の視聴ランキング上位は「AFC アジア予選 -Road to Qatar-」のサッカー日本代表コンテンツが独占しているほか、「やべっちスタジアム」「内田篤人のFOOTBALL TIME」といったライブ以外のコンテンツにも力を入れている。
会見には、2021年9月27日付でDAZN Japan エグゼクティブバイスプレジデントに就任した山田学氏も登場。「DAZNは2016年から2021年に至る5年間が、サービス拡充に向けた投資期間と位置づけていた。2022年からはビジネスをアップデートしていく時期として、SNSやオウンドメディアを活用した新たなスポーツコンテンツにおける体験の提供や、DAZNが持つコンテンツやユーザーといったアセットを活用しながら社外パートナーとの事業創造などについて準備、検討をしている」と今後についてコメント。
プロダクトにおいては、お気に入りのチームをフォローすることで最新の情報をプッシュアップ通知で受け取れる「FOLLOW <フォロー>」や、サッカーコンテンツでゴールシーンなど試合中の大事なモーメントが画面上のバーに分かりやすく表示され、気になる瞬間が素早くチェックできる「KEY MOMENT <キーモーメント>」、試合の視聴中にほかの試合のゴールシーンやキーモーメントのアラートを受け取る「PULSE <ライブ速報>」など、年間を通して開発に尽力しているとのこと。また、試合のライブ中継前後にも楽しめるコンテンツや機能も用意しているとした。
ビジネスにおいては、2020年に本格的に開始した広告セールスが2021年には60社以上のクライアントから出稿があり、収益は前年比3倍になっていること、商業施設利用を目的とした法人契約のDAZN FOR BUSINESSが2021年12月時点で1400を超える店舗と契約をしていることなどについて触れた。
一方、料金改定については「投資期間に据えた5年間で、新規サービスの開発に注力してきた結果コンテンツ数は拡充し、同業のスポーツ専門OTTプレーヤーと比較しても国内では圧倒的。価格についても競争力ある価格設定になっていると自負している。料金改定は2016年のローンチ以来今回が初めて。3000円となる月額プランのほか、月額換算2250円で12ヵ月間視聴ができる『DAZN 年間プラン(一括払い)』(年間税込料金:2万7000円)と、新プランとして分割でお支払いいただく12カ月間の『DAZN 年間プラン(月々払い)』(月額税込料金:2600 円)を用意した。これからさらに成長を目指す観点から考えると今回のタイミングでの値上げは必要だと判断している」と説明した。
加えて、今まで提供してきた1カ月無料キャンペーンについては「2月21日をもって終了するが、これに代わる提案を検討している。違った形で正規加入前にお試ししたいというニーズに応えられるよう、検討準備している」とした。
コンテンツについては、「Jリーグの独占配信契約を筆頭に、多くのサッカーコンテンツを保持。一方、プロ野球の権利獲得にも力を入れるなど、選りすぐりの競技を集めているが、なかでも日本人アスリートの活躍を伝えることが使命と考えている」(DAZN Japan コンテンツシニアバイスプレジデントの水野重理氏)と説明。「ユーザーの一人あたりに対する平均視聴時間は伸びており、2016年に年間21時間だったものが、2021年には98時間と4.7倍になった。ライブ以外のコンテンツを拡充してきたこととあいまって、自分の好きなチームだけではなく、それ以外の番組も見るという視聴習慣が根付いたと思う」(水野氏)と分析した。
今後については、ドキュメンタリーに力を入れること、女性スポーツを盛り上げること、地上波やBSといったメディアとのコラボレーションをしていくことなどを挙げた。
中村氏は「2022年にサービス開始から6年目を迎え、DAZNは新たなフェーズに入る。スポーツファンがいつでもどこでも楽しめるようなコンテンツ拡充やプロダクトの改善に全力をつくし、さらなる事業拡大に挑戦していく」とした。
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