「グランド・セフト・オート」を手掛けるビデオゲーム大手のTake-Twoは、モバイルゲーム開発企業Zyngaを現金と株式の組み合わせで買収する。これによりモバイルゲーム市場の大手企業になるという。買収金額は約127億ドル(約1兆6300億円)、Zynga株式1株あたり9.86ドルだ。
Take-Twoの最高経営責任者(CEO)であるStrauss Zelnick氏は、この買収は両社にとってメリットがあると述べた。Zyngaは、Take-Twoの最もよく売れている有名なゲームフランチャイズにアクセスできるようになり、Take-Twoはこれまで欠けていたプレーヤー分析、広告、モバイルゲーム開発技術にアクセスできるようになるという。「エンターテインメント業界における素晴らしい成功が得られる」と同氏は米国時間1月10日のインタビューで語り、「それを自社のみで構築するのは非常に難しい」と述べた。
Zyngaは、「FarmVille」や「Words With Friends」などの人気ソーシャルゲームを提供している。Take-Twoは既に、「グランド・セフト・オート」や「レッド・デッド・リデンプション」を手掛けるゲーム開発企業Rockstarや、「バイオショック」「ボーダーランズ」「シヴィライゼーション」「NBA 2K」で知られる2K Gamesを傘下に保有している。
Zelnick氏は、買収が完了するのは2022年半ばだとして将来の計画について詳しく語ることを避けたが、業界でクロスプレイと呼ばれる分野に、両社の主要な機会が存在すると述べた。クロスプレイとは、スマートフォン、ビデオゲーム機、PCで同じタイトルの一部またはすべてをプレイできる機能だ。Epic Gamesの「フォートナイト」やActivision Blizzardの「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」などのタイトルが莫大な人気を獲得した理由の1つは、この機能にある。
「最終的な判断は消費者に委ねられる」とZelnick氏は述べた。
大手ゲーム開発企業がラインナップを拡充するために、モバイルやソーシャルネットワーク関連の専門技術を保有する企業を買収する動きは、これまでにもあった。Activision Blizzardは2015年に「Candy Crush」開発元のKingを約60億ドルで買収し、Electronic Artsはこの10年間で50億ドル近くを投じて、Playdemic、Glu Mobile、「Plants vs. Zombies」開発元のPopCap Gamesなど、ソーシャル、モバイル、カジュアルゲームに注力する企業を買収している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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