また、同じSpaceXの「StarLink」と、Blue OriginおよびAmazonが進める「Project Kuiper」では、2022年から数千基の低軌道衛星が打ち上げられる予定だ。安定した高速ブロードバンドインターネットを、手頃な価格で地球上の隅々にまで届けるというのは、歓迎すべき進歩である。だが、その副産物として発生する大量の宇宙ゴミが、天文学者の使う望遠鏡の妨げになったり、宇宙船と衝突したり、さらにゴミを増やしたりするおそれも出てきている。関係者は、SFアニメ映画「ウォーリー」を見たことがないようだ。
電気自動車(EV)は、2022年に大きな年を迎えるだろう。その前提となるのが、2021年に見られた数々のブレークスルーで、例えばTeslaの「Model 3」は9月、ヨーロッパでの販売台数で首位に立った。化石燃料車の運命は、もはや風前の灯火だ。米国は2035年までに、英国は2030年までに、ガソリン車の新規販売を停止するとしており、他の複数の国も2040年を化石燃料車の終わる年と定めた。
TeslaのCEOでもあるMusk氏は、同社のコンパクトSUV車である「Model Y」が、2022年には売上で全世界首位に立つと予測する。Fordのピックアップトラック「F-150」、トヨタのコンパクトカー「カローラ」を抜くということだ。だが、2022年のEVで最大の話題となるのは、トラックのEVへの移行だろう。Chevroletの「Silverado EV」、Fordの「F-150 Lightning」、Teslaの「Cybertruck」、Rivianの「R1T」などが次々と見出しを飾っている。
消費者側としては、今ガソリン車を購入した場合、今後は中古価格が急落する可能性があることも考慮しておくべきだろう。旧来の燃焼機関技術からEVへの移行が進めば、ガソリン車の需要も急速に下がるからだ。
地球規模で進み続ける変化は、2022年になっても勢いが止まることはないだろう。たとえ、新型コロナウイルス感染症がパンデミック期を抜けてエンデミックになったとしても、である。
最後に、2022年に話題になりそうなテーマをあと1つ紹介しておこう。「メタバース」だ。確かに、名作SF「スタートレック」の世界に登場するようなホロデッキなら体験してみたいと思う人は多そうだし、パンデミックの期間にオンラインゲームが大流行したことも否定できない。しかし、2022年時点ではまだ、メタバースへの期待は控えめにしておこう。仮想現実(VR)ヘッドセットを改良し、真に没入的な仮想世界のエコシステムを築くには、まだ課題が多々あるからだ。もし、メタバースについて何か有望な兆しが2022年に見られるとしたらラッキーだ、くらいに構えていた方がいい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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