北京を拠点に、倉庫や物流の自動化に特化したロボットの開発を手がけるForwardX Roboticsは先ごろ、調達した資金の総額が1億ドル(約114億円)に達した。マテリアルハンドリング向けの自律走行搬送ロボット(AMR)を開発しているForwardXは、先ごろシリーズC資金調達ラウンドを完了したと発表している。
この資金調達は、中国で展開されている大きな成長物語の一部にすぎない。中国では、政府によるオンショアリングの推進や国内のテクノロジー分野への多額の投資によってロボット分野が急成長している。新華網によると、2016年以降、中国のロボット生産台数は3倍近くになり、中国のロボット開発企業の売上高は2020年に大きく増加したという。
全体として見ると、コロナ禍を一因とする高い需要と労働力の混乱により、ロボット市場は活況を呈している。しかし、中国のロボット分野の成長は、過去5年間における世界の大きな変化を示すものだ。中国は長年にわたり、製造インフラを支える外国製産業用ロボットの純輸入国だったが、産業政策「中国製造2025」の策定を機に、国内の自動化開発を最優先事項に掲げた。この傾向はそれほど新しいものではない。ロボットや人工知能(AI)の企業を追跡してベンチマーク指数を算出しているROBO Globalの調査担当ディレクターJeremie Capron氏は、中国の自動化をめぐる目覚ましい成長ぶりについて、2018年の時点で次のように指摘していた。
「中国は、世界で最大かつ最も急速に成長しているロボット市場の中心地だ。中国製造2025計画など中国政府が関わる契約案件によってAI技術の研究開発が活性化しており、その投資規模は今やシリコンバレーの新興企業に匹敵するほどだ。現在のところ、ロボットとAIにおける中国の動きは猛烈な勢いを保っており、イノベーションが減速する兆しはない」
成長が持続するか疑わしいとの声を打ち消すデータとして、中国は今や米国より多くのロボットを輸出しているとする推計もある。
ForwardXはこのトレンドをよく表している。6300万ドル(約72億円)を調達したシリーズBラウンドからわずか7カ月後に行われた最近のラウンドにより、同社が2016年の創業時から調達した額はおよそ1億ドルに達した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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