三井不動産発ベンチャー、お店がやってくる「MIKKE!」--場所、車、顧客情報をシェア

 三井不動産とShareTomorrowは12月16日、出店する場所、車、顧客基盤をシェアして、新しい買い物体験を作るシェアリング商業プラットフォーム「MIKKE!」(ミッケ)の事業説明会を実施した。12月16~20日まで、期間限定のイベント「MIKKE! クリスマスマーケット」を実施している。

「MIKKE! クリスマスマーケット」
「MIKKE! クリスマスマーケット」

 MIKKE!は11月にサービスを本格始動。三井不動産発の新規事業の開発、推進を担う会社として7月に設立したShare Tomorrowが手掛ける事業の1つだ。オフィスビルや商業施設、集合住宅などの場所に、食物販、物販、サービスなどの店舗を車で開店し、販売するというもの。Share Tomorrowでは区画、車両、顧客情報の3つをシェアリングすることで、固定店舗のメリット、気軽な買い物体験のECのメリット、その中間領域にある第3の買い物体験の場と位置づける。

「MIKKE!」の概要
「MIKKE!」の概要

 すでに、東京湾岸地区のマンション12区画、駐車場2区画、オフィスビル2区画、公園4区画で、キャラバン営業を実施。参加テナントは、20以上にのぼる。ShareTomorrow 代表取締役の須永尚氏は「店舗を出すには、投資が必要となり、体力がないと出店はできない。MIKKE!の形態であれば3日間だけ販売したいといった短期間での利用も可能」とフレキシブルさを強調する。

ShareTomorrow 代表取締役の須永尚氏
ShareTomorrow 代表取締役の須永尚氏

 貸し出し車両は大、中、小の3サイズを用意し、一番大きなサイズでは、お客様が車の中に入るような店舗としても活用できるとのこと。食物販は可能だが、キッチンカーは用意していない。現時点で、出店者側が負担する料金体系については、一律に決まっていないとのこと。「物販として利用する店舗がある一方、マーケティングとして出店する方がいるなど目的が違う。そのため、売上歩合型という形は難しい。場所によっては最初の1週間は動きが少なくても、その後に認知が広がり売上が上がるということもあるため、期間や場所によっても異なる」(須永氏)とした。

 今後は売上実績と連携した顧客データを蓄積し、顧客とのコミュニケーションの仕組みを構築することで、営業開始時点で詳細な顧客情報を利用し、営業できるよう、顧客情報をシェアしていくとのこと。「一番望ましいルートで、最適な時間に営業ができるサポートをしていく」(須永氏)と、独自路線を打ち出す。

最適なキャラバンスケジュールのイメージ
最適なキャラバンスケジュールのイメージ

 東京都江東区の「江東区立豊洲公園」で実施しているMIKKE! クリスマスマーケットでは、京都、銀閣寺の菓匠鈴屋将経が⼿掛けるドイツ菓⼦専⾨ブランド「Silberne Gloke」、クリスマス仕様の和菓子も販売する創作オリジナル和菓子専門店「あわ家惣兵衛」、彩り豊かな箸のギフト商品を販売する大正11年創業のお箸の専門店「箸蔵まつかん」など10店舗以上の移動店舗を展開。イルミネーションやキャンドルによる演出も実施し、ワークショップなど、子供向けイベントも開催する。

MIKKE! クリスマスマーケットでは10店舗以上の移動店舗が登場
MIKKE! クリスマスマーケットでは10店舗以上の移動店舗が登場
実際に手にとって触れること、サイズ感なども確認しやすい
実際に手にとって触れること、サイズ感なども確認しやすい

 現在までに、東京の湾岸エリアを中心に、8拠点でサービスを展開しているが、自宅の近くというメリットをいかし、色違い、サイズ違いの衣類を一度自宅に持って帰ってもらい、自宅でゆっくりと試着をした上で翌週に返却するといった試着方法が生まれるなど、新たな動きが出ているとのこと。試着体験をした人の約半分は購入に結びついているという。

 「現在は三井不動産が持つ物件を中心に展開しているが、そのほかの地域でもぜひ展開していきたい。当面は都内でMIKKE!を成立させることを目標に取り組んでいく。車両は16台を用意しているが、2022年春までには60台くらいまで増やす計画」(須永氏)と今後について話した。

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