長所:近未来的なコントローラー。高品質なヘッドセット。VIVEハードウェアとの互換性。
短所:価格が高い。部屋の設定とテザリングケーブルが必要。
2021年に出たPC用VRの中で、最も興味深いものはValveのヘッドセットかもしれない。最大の魅力は新しいコントローラーだ。Valveの「ナックル」コントローラーは感圧式で、5本の指すべてをトラッキングできるため手袋感覚で使える。このコントローラーの機能をフルに生かせるアプリはまだ多くないが、Valveのハードウェアは、同じくSteam VRプラットフォームに対応しているHTCのVIVEと互換性がある。オーディオも高品質で、ディスプレイは視野角が広く、きわめて鮮明だ。
Valve Indexは、「Lighthouse」というトラッキングシステムを採用しており、まずは部屋にベースステーションを設置する必要がある。つまり、ヘッドセット内蔵カメラで部屋をトラッキングできるOculus Rift Sや、HTCの「VIVE Cosmos」と比べると、Indexは完全なオールインワン型とは言えず、ワイヤレスですらない。ただ、VIVEのハードウェアを持っているなら組み合わせて利用することが可能だ。
長所:対応ゲーム数が多い。比較的安い。「DualShock」や「Move」等、さまざまなPS4コントローラーを利用できる。
短所:見劣りのする解像度。ソニーは、VRコントローラーの分野では他社の後塵を拝しているが、2022年には新バージョンが登場する可能性がある。
ソニーのPlayStation VR(PSVR)は、発売からすでに年月はたっているものの、依然としてゲーム機用のヘッドマウント型ディスプレイとしては唯一のものであり、今でも驚くほど没入感のある体験を生み出すことができる。ソニーはPS5用の次世代PSVRヘッドセットと新型コントローラーを開発中であることを認めているので、2022年の発売を期待して待ってもいいかもしれない。また、ソニーは多くの優れたVRゲームを販売しており、今後も新タイトルが発売されるだろう。プレイに必要なものはPSVRとPS4だけだ。ただし、他社のVRシステムと比べると古さは否めない。新型PS5でも古いPSVRは使えるが、別途PS4のコントローラーとカメラ、そしてカメラアダプターが必要だ。
前述したように、2022年は多くの新型ヘッドセットが登場する。Metaの「Project Cambria」、ソニーのPSVR 2、Appleの謎に包まれたデバイスは、その一例にすぎない。VRは開発途上のテクノロジーであり、製品の小型化やスマートフォンのようなデバイスとの連携を目指して、各社がしのぎを削っている。時代遅れになるデバイスへの投資は、できる限り控えた方がいいかもしれない。コストパフォーマンスで言うなら、Quest 2が断トツだ。Metaのメタバースに取り込まれる覚悟があり、Facebookのデータポリシーが気にならないなら、Quest 2は現時点で最も多くの長所を備え、デザイン面もトップクラスのヘッドセットと言えるだろう。
この質問への答えは、PCに接続するかどうか、仕事に使うかどうかによって変わってくる。Windows対応のヘッドセットは多いが、ディスプレイの解像度はさまざまだ。解像度は高ければ高いほどよく、視野角も広いほうがいい。現在のヘッドセットのリフレッシュレートは最大120Hzだ。この数値が高くなるほど、VRの動きがより自然で滑らかに感じられるようになる。PC用のVRヘッドセットは、だいたい似たようなデザインのコントローラーを採用しており、仕事用のツールやアプリも利用できる。携帯性やスタンドアロンで使用した場合の快適さは、今のところQuest 2が無敵だ(VIVE Focus 3はビジネスユーザーに焦点を合わせており、VIVE Flowは登場したばかりで実力は未知数)。ゲーム機と組み合わせて使いたいならPSVR一択となるが、PS5を持っているなら、PSVR 2が発売される2022年まで待ったほうがいいかもしれない。アプリの充実度も重要なポイントだ。OculusはVRゲームの独占タイトルが多く、ヘッドセットはWindowsに対応しているため、仕事系のアプリや実験的なツールとの互換性も高い。ソニーのPlayStationライブラリーにもユニークなVRゲームがそろっている。
VRヘッドセットはほこりや汚れがつきやすい。レンズは特にていねいに扱おう。メガネと同様にマイクロファイバークロスで優しくふき、液体は使用しない。顔に接する部分を汗や汚れから保護するためのシリコンカバーを購入したり、交換用のフェイスカバーを用意したりするのも良いアイデアだ。使用していない時はヘッドセットにカバーをかけておくことを強く勧める。直射日光にはさらさないように。太陽の光がヘッドセットのレンズに当たると、VRディスプレイが損傷する可能性がある。私は念のためにケースに収納するか、窓とは逆の方向にレンズを向けて置くようにしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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