家族向けの位置共有アプリを提供するLife360は米国時間11月22日、Tileを2億500万ドル(約240億円)で買収すると発表した。2022年第1四半期に取引を完了する予定だ。
Bluetooth対応の紛失防止トラッカーを手掛けるTileを買収することで、Life360は広範囲にわたる顧客層を獲得することになる。Tileの技術は、ワイヤレスイヤホン、ヘッドホン、ノートPC、犬の首輪など、50種類以上の異なるサードパーティーデバイスに組み込まれている。Tileの技術が既に有効化されているサードパーティーデバイスは、100万個を超えている。一方、Tileのデバイスは、2万7000を超える実店舗を通して消費者に直接販売されている。
また、両社ともに有料サブスクリプションサービスが充実しており、この買収によってLife360の有料サブスクリプション利用者数は約45%増加して、約160万人になる見込みだ。
「Life360は、家族が充実した生活を送れるように安全性を簡素化するというミッションを掲げている。Tileの買収により、家族にとって非常に大切な人、ペット、物を探すための、他とは一線を画すあらゆる範囲を網羅したソリューションを提供できるようになる」と、Life360の共同創設者で最高経営責任者(CEO)のChris Hulls氏は発表の中で述べた。「この買収は、安全性とロケーションサービスのための世界をリードするプラットフォームになるというLife360のビジョンの実現に向けた、重要な一歩になる」(同氏)
この買収は、Appleが4月に紛失防止トラッカー「AirTag」を発売したことで、同社と直接競合することになったTileにとっても救いとなる。Appleのトラッカーは「Find My」(探す)ネットワークを利用して、タグの位置を非公開でクラウドソーシングする。Tileのネットワークも類似の仕組みで動作するが、AppleのFind Myネットワークには及ばない。
Life360によると、同社の世界的な基盤によってTileの「Finding Network」は大きく拡大する。3300万人のスマートフォンユーザーからなるLife360のネットワークが加わることで、Finding Networkは約10倍に拡大する見込みだ。
Tileは買収完了後も、同社CEOのCJ Prober氏の指揮の下で独立したブランドとしての事業運営を継続する。Prober氏は、Life360の取締役会にも加わる。Tileのチームは、現在の体制を維持する予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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