栃木県那須郡那須町に11月17日、21世紀型社会に求められるソリューションの共創、実証実験、社会実装の場となる「ナスコンバレー」がオープンした。全国の自治体、企業を巻き込む日本最大級のリビングラボとして活動を開始する。
ナスコンバレーは、10月1日に設立した一般社団法人 ナスコンバレー協議会が運営するもの。LIFULL 代表取締役社長の井上高志氏が協議会代表理事に就任し、デジタルシフト 代表取締役会長の鉢嶺登氏、日本駐車場開発 代表取締役社長の巽一久氏、SUNDRED 代表取締役の留目真伸氏が理事に就く。
東京ドーム170個分の広大な私有地を使い、実証実験、社会実装の場となるリビングラボを展開していくことが目的。「無人走行や自動走行の実験など、安全な環境で実験に取り組んでいきたい。行政と民間が一緒になって社会実装していく場所にしたい」(井上氏)と位置づける。
雄大な土地が広がる一方、都心からのアクセスの良さを考慮し、那須に拠点を構えたとのこと。日本駐車場開発がこの土地を提供しているほか、LIFULLはプロジェクトの開発、推進、プログラムの運営支援、デジタルシフトはワーケーションプログラムの運営、提供、SUNDREDは協議会運営、プログラムの開発、運営をそれぞれ担う。
地元である栃木県、那須町、那須塩原市、大田原市が後援として参加。栃木県知事の福田富一氏は「ナスコンバレーでは、広大なフィールドにおいて、デジタル技術を活用したさまざまなプロジェクトを実施するとのことで期待している」とコメントした。
すでに、ドローンや次世代ハウジング、Well-beingといったプロジェクトが進んでいるとのこと。「これまでのオープンイノベーションは、各企業のやりたいことを実現するために足りないものを外から持ってくるといった『オープンイノベーション1.0』だった。今の時代は地域に根づいて社会の中で新たな目的の解像度を対話しながら上げていく『オープンイノベーション2.0』に移るタイミング。企業が自分たち主体ではなく、対話を通じて具体的にどんな課題をソリューションで解決するかを考えていかなければならない」(留目氏)とナスコンバレーの役割を説明した。
現在、会員企業は約20社。9月に実施した視察には20社程度が参加しており、出足は好調だという。メンバーシップ会費は「ゴールドプログラム」(年会費:500万円)、「シルバープログラム」(同:300万円)、「ブロンズプログラム」(同:100万円)の3つを用意し、いずれも、藤和那須リゾートのコテージ、リゾートハウスを活用したワーケーションプログラムの利用が可能だ。プランごとに上限人数が決められており、フル活用した場合は、1人1泊あたり200〜300円で利用できるとしている。
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