アルヒは11月11日、街探し、家探しの概念を変えるウェブサービス「TownU(タウニュー)」を発表した。「本当に住みやすい街」をAIが提案する。
TownUは、ユーザー情報、今住んでいる街の評価、住む街に求めるこだわりなどの条件を入力、選択することで、その人にあった街をAIが提案する「街診断」と、駅名や路線名から、その街の情報や実際に住んでいる人の口コミを見られる「街情報」の2つの機能を搭載する。
「以前は会社や実家の近くなどを基準に家選びをしていたと思うが、転職をしたり、在宅勤務が普及する中、一人ひとりにベストな街は違うはず。住宅は高い買い物なのになんとなく選んで損をしている部分が多いのではないか。それをなくしていきたいと思った」とアルヒ 執行役員マーケティング本部長の石橋薫氏はTownU開発の背景を話す。
街診断は、ユーザー属性だけでなく、「公園の近くがいい」「趣味のサーフィンを楽しみたい」など、こだわりやライフスタイルに合わせて街選びができるというもの。通勤地や実家の場所といった情報と、今住んでいる街の評価を合わせて診断することで、本当に住みやすい街ベスト3がピックアップされる仕組みだ。
TownUには、保育園や学校、スーパー、銀行といった街の施設情報をはじめ、災害避難場所や洪水浸水想定区域などの情報をオープンデータから取り込み、その情報をもとに、住みやすい街を絞り込んでいるとのこと。
街情報機能には、駅周辺や街の風景の画像や、その地域に住む人の口コミなどが掲載され、リアルな情報を織り込む。これらはアルヒが用意したオリジナルで、駅を選び、見たい情報を選ぶと地図上に情報が配置される。このほか世帯年収や進学率なども可視化する。
「今住んでいる場所と比較して、よくなる部分とともに、『通勤時間が増える』などデメリットもきちんと表示するようにしている。しかし、例えば駅を1つずらすだけで広い部屋に住めたり、理想の環境が手に入ったりする。ちょっと変えるだけで、満足度が大きく変わるのに、今の家探しではなかなかそういうベストな街を紹介しきれない。お客様のパターンに合わせてベストな街を紹介できれば、長く住み続けてもらえるかもしれないし、今までは考えていなかった人たちを呼べるかもしれない。それが空き家問題などの解決にもつながってくると思う」(石橋氏)と将来像を描く。
アルヒでは、2017年から「本当に住みやすい街大賞」を開催し、街のさらなる認知拡大や地域活性化に寄与しており、TownUもそうした取り組みの1つ。TownUを介して、家探しする人のニーズをくみ取り、深堀りすることで、住宅ローン事業を手掛ける本業にもいかす。
「TownUは、公開してからも改善をし続けていくサービスなので、完成版というイメージではない。お客様のニーズを聞きながら、今以上に情報を充実させていきたい」(石橋氏)と今後を見据える。
石橋氏は「街探し、家探しは引っ越しを前提にしないとなかなか取り組むことのない作業だが、TownUは気軽に街を知ることができるサービス。必ずしも引っ越しを考えていない時でもぜひ使って見てほしい。また今住んでいる街を調べても、新しい発見が見つかると思う。TownUというサービスがあってよかったと使った人に思われるようなサービスに育てていきたい」とした。
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