フォースタートアップスは、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2021年1月から10月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。
それによると、アキュリスファーマとビットキーが新たにランクイン。また、オリヅルセラピューティクスは登記簿から11億8400万の新規調達を確認し、12位に浮上している。
アキュリスファーマは、神奈川県の湘南ヘルスイノベーションパークに拠点を置くバイオスタートアップ。神経・精神疾患領域における新薬の開発と販売をしているほか、欧米諸国から医薬品を導入して開発・販売を担うことで、疾患を取り巻くさまざまな課題に対するソリューションを提供している。
同社はシリーズAラウンドにおいて、SoftBank Vision Fund 2をリード投資家に、ANRI、Catalys Pacific、Global Founders Capital、HBM Healthcare Investments、三井住友トラスト・インベストメントを引受先とする68億円の第三者割当増資を実施。今回調達した資金は薬品の臨床開発や上市に向けた諸活動に充てる方針だという。
スマートロックサービス「bitlock」シリーズを提供するビットキーは、SHIFTと資本業務提携を締結したことを発表。取得した登記簿より、30億円の資金調達を実施していたことが判明している。今後は、SHIFTが持つサービス開発力を積極的に活用することで、顧客要望に迅速・柔軟に対応するためのサービス開発に注力していくという。
トップ20にランクインしている企業のうち、累計資金調達金額が100億円を超えている企業はSpiber、スマートニュース、TBM、Mobility Technologies、ヘイ、SmartHR、リキッドグループ、ネットプロテクションホールディングス、ispace、ディーカレット、アトナープ、ビットキーの12社となった。
また、設立5年以内のスタートアップは、リキッドグループ、キャディ、ネットプロテクションホールディングス、オリヅルセラピューティクス、アキュリスファーマ、ディーカレット、SODA、ビットキー、タイミー 、atama plusの10社となり、半数を占めている。
このほか、2021年10月における資金調達金額の中央値は1億1950万円。平均値は3億6720万円となった。Spiberやスマートニュースによる数百億円規模の資金調達が発表された先月と比較し、中央値・平均値がともに減少している。
同社では、11月1日時点での「国内スタートアップ評価額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業は除外されている。
それによると、エクサウィザーズが新規ランクインした。また、ネットプロテクションズホールディングスが13位から11位に、アストロスケールホールディングスが15位から14位に順位を上げている。
20位にランクインしたエクサウィザーズは、「exaBase」や「CareWiz」といったAIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決を目指すスタートアップ。8月には住友生命保険との業務提携を実施。同時に、SBIインベストメントが運営する住友生命のCVCファンド「SUMISEI INNOVATION FUND」が同社の既存株主より一部株式を取得してる。
11位のネットプロテクションズホールディングスは、未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の運営を行うネットプロテクションズの持株会社。9月にアジア最大級の投資顧問会社MY.Alpha Managementが運営するファンドを引受先とする約10億円の第三者割当増資を行い、先月より評価額を151億円伸ばしている。
トップ20企業の累計資金調達金額も発表している。9位にランクインしたSpiberは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券をアレンジャーとした事業価値証券化により50億円の追加調達を実施したと発表。同様手法に基づく同社の資金調達金額は、累計400億円にのぼる。調達した資金については、「Brewed Protein」の米国での量産体制構築、新素材の研究開発などに充当する方針。
15位のispaceは、Axiom Asia Private CapitalとAirbus Venturesを引受先としたシリーズC追加ラウンドにおける第三者割当増資を実施。今後、2023年に打ち上げが予定されているミッション2と、2024年に予定されているミッション3に向け、シリーズ2ランダーの開発を進めていく方針だという。
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