高速なAI画像処理を活かした、新しいカメラ機能も多数搭載されている。撮影後にぶれている被写体の顔をシャープにできる「顔フォーカス」や、映りこんだ人などを簡単に消せる「消しゴムマジック」は、Googleのコンピューテーショナル・フォトグラフィーのすごさを体感できる機能と言える。
また動感のある写真や、長時間露光写真が簡単に撮れる「モーションモード」では、撮影から画像処理、保存までほとんど待たされることがなく、オンデバイス処理のスピードに驚かされる。
ほかには、さまざまな肌の色を美しく見せる「リアルトーン」や、セルフィー動画では余計な背景音を低減できる「音声拡張機能」といった機能も追加された。なおフロントカメラは、Pixel 6が8メガピクセル(F値2.0)、Pixel 6 Proが11.1メガピクセル(F値2.2)。Pixel 6 Proではフロントカメラでの超広角撮影や、4K動画撮影も可能となっている。
純正チップはカメラでの画像処理だけでなく、音声認識にも多大な恩恵をもたらしている。音声入力が早くなったのに加え、リアルタイムの翻訳機能も大幅に強化された。具体的には「LINE」「Facebookメッセンジャー」「Instaglam」「Twitter」などのメッセンジャーアプリやSNSアプリに送られたメッセージを、そのアプリ上で簡単に翻訳できる。いちいち会話文をコピペして翻訳アプリへ移動する手間がなくなり、特に英語が苦手な筆者にとっては有り難い限りだ。また動画の自動字幕起こし機能でもリアルタイム翻訳が可能に。日本語はまだベータ版とのことだが、字幕のない動画にも日本語の字幕を表示できる。
このほかGoogleレンズによる翻訳や、Googleアシスタントの同時通訳モードもより速くスムーズに動作するようになっている。特に同時通訳モードは実際の会話に違和感なく使えそうなくらい、音声認識から翻訳、読み上げまでがスピーディーだ。
音声認識ではもうひとつ、日本人にうれしいアップデートもある。自動文字起こしができる「音声レコーダー」がいよいよ日本語に対応した。音声を録音すると同時にテキストとしても記録されるしくみ。話した内容を文字で追ったり、検索することができ、さらにテキストから該当個所を聞き直すといったこともできる。実際に試したところ、句読点などもきちんと挿入されていたほか、複数人の会話を聞き分けて、それぞれ段落を分けてテキスト化されていた。もちろんまだ完璧とはいかないが、十分に実用的だと思えるレベルで、会議の議事録などにも使えそうだ。
インタビュー取材の多い筆者などは、この機能だけで買い替えを検討したくなるほど。米国ではこのほかにも、Googleアシスタントを活用した様々な新機能がリリースされていて、今後日本でもオンデバイスのAI処理を活かせる、さらなる機能やサービスのアップデートがあるのでは? と、楽しみになる。ここ最近のPixelは機種名の最後にaのつく、お手頃価格のモデルばかりが目立っていたが、久々にワクワクする新機種の登場だ。
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