インターネットアクセスのジェンダー格差が1兆ドルの経済損失をもたらす - (page 2)

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年10月14日 07時30分
  • 一覧
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「女子をオンラインの世界に参加させるのは、社会政策として有益であるだけでなく、経済的にも望ましい」と話すのは、World Wide Web Foundationでアクセスおよびアフォーダビリティー担当シニアリサーチマネージャーを務めるTeddy Woodhouse氏だ。同氏にとって、今回のレポートの成否は、新たな共感を呼び、デジタル上のジェンダーギャップを埋める動きに変化をもたらすことができるかどうかにかかっている。「できるだけ現実的なレポートを目指し、変化をもたらす事例をいかにして作れるかを考えている」(同氏)

 性の平等に関する議論を権力者が重視しないことも多いが、財政への広範な影響に焦点を当てれば、ジェンダー格差がそのような扱いを受けないための歯止めにもなる。レポートの共同執筆者の1人であるAna María Rodríguez Pulgarín氏は語る。

 「ジェンダーに関する議論は、性の平等に既に取り組んでいて、デジタルのジェンダー格差などを解消しようとしている政治家との間で終わってしまうこともある。だが、これはすべての人に影響があるのだというメッセージを広めたい」(Pulgarín氏)

 今回の調査で、女性のインターネット利用を妨げている大きな問題の1つとして確認されたのが、ジェンダー視点に立ったブロードバンド政策、つまり女性のインターネットアクセスを保証する明示的な目標が欠如していることだ。

 デジタル上のジェンダー格差の縮小に関心を示している政府が、どの部分で政策を実施するかという点では、多くの選択肢がある。権利、教育、アクセス、コンテンツなどだ。Woodhouse氏は、そのような施策を実施した国として、コスタリカを例に挙げている。同国では、STEM(科学・技術・工学・数学)を習得する女性を増やすという具体的な目標を設けた。

 コスタリカは、その目標の達成状況について毎年レポートを発行している。「これが可能なのも、初めからそうした指標を設けているからだ」、とWoodhouse氏は指摘する。説明責任のシステムを作ることがベストプラクティスになっている好例と言える。

性別を超えたインターネットアクセス

 World Wide Web Foundationによるジェンダー調査は、従来どおり男女で分けた考察となっており、トランスジェンダーやノンバイナリーの人の体験は考慮していない。この調査を拡張するうえで「決定的な問題」は、Woodhouse氏によると、データの確保だという。シスジェンダー(自身のアイデンティティーとジェンダーが、生物学的な性別と一致している人)の男女間に見られる体験の差が分かるほど十分に分類されたデータを確保することすら、これまでは難しかったと同氏は話している。

 「そのうえで、細分類されたデータをさらに総合的に捉えることは、ほとんどの場合、行われていない。われわれが調査している低~中所得の国の経済的な観点では特にそうだ」、とWoodhouse氏。国によっては、トランスジェンダーであることが違法と見なされ、懲役などの重罰を科されることすらあり、多様なジェンダーを追跡することは不可能になっている。

 データの欠如は、同氏が変わってほしいと望んでいることの1つだ。だが、この調査の全体的な目標は変わらないという。

 目的は「人が持つ権利、経験するべきこと、インターネットにアクセスできる環境は、ジェンダーによってあらかじめ決められているという考え方を少しでもなくすことにある」と、Woodhouse氏。「それをなくすことが、あらゆる人の利益になる」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]