Amazonから、丸い目と伸縮式カメラを備えた自走式のロボット「Astro」が、2021年末までに登場する。Astroについての疑問は尽きない。Amazon初の完全な家庭用ロボットだが、同社が米国時間9月28日に開いた最新製品の発表イベントによると、これが最後ではないという。Astroは、早くも山ほどの疑問を投げかけている。プライバシーの扱いはどうなっているのか。どこまで進化する可能性があるのか。そもそも何のためにあるのか(そしてまた、これが私たちの望む未来なのか)。
Amazonのデバイス担当バイスプレジデントCharlie Tritschler氏から話を聞き、このロボットについて、そして次に控えているものについて、発表だけでは分からなったことを質問をしてみた(Amazonは既に「Astro 2」の登場を匂わせている)。
Tritschler氏は、Astroが成功する道筋を語り、その役割は家庭用監視ロボットおよびコミュニケーションデバイスであると明確に位置付けている。家庭用ロボットの第2の波をけん引する可能性もあるという。Astroの現状と、Amazonの現行のサービスを踏まえての考えだ。「調査結果や、ベータテスターから届いたフィードバックの声から見えてきた、主な使い方を検討した。その使い方から、大きく3つの領域がトップにあがっている。1つ目は、家の中の監視だ。だが、家の中を監視するといっても、そこにも2つの要素がある。『家を安全に保つにはどうすればいいか』という保安上の観点と、離れた場所から人やペットの様子を確かめたり、家の中のものを確認したりすることができるという、家庭内の監視という点だ」
ロボットにとって、一般家庭の環境というのは依然として大きな課題であり、Tritschler氏はAstroのアーリーアダプターによる一般家庭でのテストが、Amazonの学習プロセスに大きな役割を果たすと示唆している。同社のこれまでの産業用ロボットが、フルフィルメントセンターで果たしてきたのと同じような役割だ。「Amazonのロボット技術は、フルフィルメントセンターの効率化という点を特に重視してきたので、その動きは、ごく限られていた。一方、典型的な家庭などというものは存在しない。どの家もひとつひとつ違うからだ。同じ家の中でさえ、常に状態が変わっている。例えば、ほんの5分前まで通れた場所に物が置かれたりすることもあるので、そんな中をどう移動するか、といった解決を迫られる」
Tritschler氏は、Astroが家の中のスキャンを開始する過程を次のように説明している。「箱から取り出したら、初期設定の一環として、まずAstroに家の中を探索させる。移動経路を探したり、家の中のレイアウト、例えばドアがどこにあって、カウチをよけるにはどこを動くかといったことを把握したりさせるためだ。そうすると、Astroが自動的に家のマップを作成する。次に、家庭内ツアーに連れていく。文字どおり家中を移動しながら、『Astro、これがダイニングルームで、こっちがキッチンだ』と教えていくわけだ。そうすれば、それぞれの部屋がどこかを理解する」
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」