部屋を立ち入り禁止に設定することもできるし、Astroに離れるように命令することもできる。ただし、家族とAstroとの関係性を理解させるのは、少し手間がかかるかもしれない。上部にはミュートボタンがあって、マイクとセンサーをオフにすることもできる。
また、招待すれば、Astroが記録している映像を他の人が視聴できる「ストリームイン」機能もある。大切な人を見守るときなどに使える機能で、他の人のスマートフォンにライブ動画をストリーミングしている間は緑のLEDライトが点灯する。「早期ベータテストで、監視対象の今の状況を知りたいという需要があることも分かった。ストリーミング中に点灯するインジケーターを取り付けた」、とTritschler氏は説明する。必要があれば、ただちにストリーミングを停止することもできる。だが、室内にAstroがいて緑のLEDが点灯しているときは注意が必要だということになる。これは、録画機能のあるFacebookのスマートグラス「Ray-Ban Stories」の場合と全く同じだ。
Astroがマンガのキャラクターのような特徴を持っているのは、ユーザーに親しんでもらうためだが、Astroの意図を表す狙いもあった。Astroに個性を付け加えたことについて、Tritschler氏はこう語っている。「Astroを使ってもらった早期テスターの声に触発された形だ。家の中に何か動き回るものがあると、人はそれを擬人化したがる。いろいろ試してみたところ、個性を与えるには目を付けるのが最も効果的だった。目の動きの基準にしたのはアニメーションの原理で、映画やマンガ、テレビ番組でのロボットの描かれ方を参考にした。ロボットの上位100体を調べたところ、人気のあるロボットのうち、目がないのは5体だけだった。まさに、目は万国共通のコミュニケーションツールということだ」
Astroの目には、Amazonが、Astroのとるアクションとその意図がより明確に伝わるようにしようとしたことも反映されている。「廊下を進んでいるAstroがドアを抜けて左に曲がるときには、先に目が左を向き、次に頭が左に回転し、それから本体がそれに従う。最終的には、それがごく自然に、人がドアを抜けるときと近いように感じられるようにした。人間も、ドアを抜けるときには肩や目が先に動く。Astroが回転したり動いたりする意図をユーザーに伝えるには、いい形だ」
このような特徴は、Amazonの他のサービスやホームケアに向けた踏み台になる可能性がある。「これからの未来を見据えると、例えば孤独との戦いなど、パーソナリティーが役立つような何らかの分野に関して、壮大なロードマップを描けると思う」、とTritschler氏。「実際、早期テスターの中からは、もう家族の一員のようだというフィードバックの声もいただいている。ベータテストの期間が終わってAstroを回収するときに、泣き出すお子さんもいた。ベータテストの短い時間でさえ、そういう関係性が生まれ始めていたからだ」
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