Dynabookは9月7日、モバイルエッジコンピューティングデバイス「dynaEdge DE200」を、新開発のAIエンジン「dynabook Edge AIエンジン」、インテリジェントビューア「AR100」などとあわせ、現場DXプラットフォームとして提供を開始すると発表した。
Microsoft Teamsに対応した作業支援ソリューション「Vision DE Suite」や、パートナーが提供するソフトウェアとともに、dynaEdgeソリューションとして展開する。
同社は、ニューノーマル時代の新しい働き方の一環として、製造・メンテナンス・建設・物流・医療などの現場におけるデジタルトランスフォーメーション(現場DX)を推進している。
dynaEdge DE200は、そのキーデバイスとして、現場の課題・要望に応えるべく新開発されたモバイルエッジコンピューティングデバイス。5ボタンキーでさまざまな操作を可能とする「dynaEdgeコントローラー」を備え、キーコンセプトである「身に着けて運用できるWindows10デバイス」を継承したdynaEdgeシリーズの新商品となる。
CPUには、第11世代インテル Core i7/i5/i3プロセッサーを採用。基本性能の向上により、AIをはじめとした利用領域で卓越したパフォーマンスを発揮するという。
また、高密度実装技術や省電力設計を駆使して、約7.5時間の駆動時間を実現。USB Type-C給電に対応し、市販のモバイルバッテリーと組み合わせることで、さらなる長時間駆動が可能となる。
この他、ロック機構のついた電源ボタン、大きくなった前面の5ボタンキーなど、現場でのユーザビリティが向上している。
外周は、衝撃吸収ラバーバンドで囲われており、厳しい品質試験のクリアだけでなく、過酷なテストとして知られるアメリカ国防総省MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠したテストの実施も予定しているという。
新開発のAIエンジン「dynabook Edge AI エンジン」は、さまざまなセンシングデバイスからの情報を端末側でAI処理するためのフレームワーク。dynaEdge DE200向けに、仮想カメラ技術により追いかけたい対象物にマークをつける「トラッキング機能」、カメラのゆれを補正し対象物をセンターに表示する「ゆれ補正機能」、暗い場所でも見やすく映像の明るさを補正する「明るさ補正機能」、効果をわかりやすく全画面に拡大して表示する「モニター機能」を提供する。
これらの機能は、同社が提供する作業支援ソリューション「Vision DE Suite」で活用可能。Vision DE Suiteでは、これまでMicrosoft Teams連携による遠隔支援機能を提供していたが、今回提供する新機能と組み合わせることで、Microsoft Teamsのカメラ映像も大きく拡大表示できるようになった。
パートナー企業が提供するさまざまなアプリケーションでも利用できるため、AI処理機能を組み込めるフレームワークとして、今後さまざまなパートナーとともに、さらなる機能拡張を続けるという。
dynaEdgeコントローラーは、前面の5ボタンキーを使い、Windows10上のさまざまなアプリケーション操作を可能とするユーティリティ。インテリジェントビューア「AR100」との組み合わせた表示に最適化したUIを備え、5ボタンキーのみでアプリケーションの起動・基本的な操作を行うことが可能。設定を変更することで、他社アプリケーションも5ボタンキーで操作できる。
同社によると、dynaEdgeソリューションは、離れた現場での作業者を遠隔地からサポートする「遠隔支援」。ハンズフリーで表示確認できる動画マニュアルでの「技術伝承」。倉庫の棚で手を伸ばす対象を目の前にガイド表示する「ピッキング支援」。製造現場における「カメラ映像解析」といったさまざまなシーンで活用が進んでいるという。
今回、現場DXプラットフォームとして進化したことにより、例えば、遠隔支援の現場において、dynabook Edge AIエンジンのゆれ補正機能を利用することで、頭部装着カメラの位置ゆれで遠隔地側から確認しづらかった映像を安定させることが可能。
また、dynaEdgeコントローラーを利用すれば、顧客の独自アプリケーションやパートナーのソリューションが5ボタンキーで操作できるようになる。
なお、dynaEdge DE200は、コンパクトな筐体に高い基本性能を備えるため、会社、自宅といったハイブリッドワークや、オフィスレイアウトの変更に対応できる持ち運び可能なデスクトップPC、さらには、さまざまな機器やサイネージシステムのコントローラー用PCとしても活用できるという。
dynaEdge DE200および、インテリジェントビューアAR100キット(DE200用)は、9月7日より受注を開始。LTE対応モデルも用意する(2021年度中に発売予定)。
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