auじぶん銀行は8月26日、同行の口座にスマートフォン決済サービス「au PAY」およびクレジットカード「au PAYカード」、auカブコム証券の証券口座の3つを連携したユーザーに対し、円普通預金口座の金利を年0.20%(税引後は年0.15%)とする「auまとめて金利優遇」を2021年9月から開始すると発表した。
円普通預金口座の金利を年0.20%とするのには3つの条件がある。1つ目は、au PAYとauじぶん銀行の口座を連携で、通常金利が0.05%に。2つ目は「au PAYカードの引き落とし口座をauじぶん銀行に指定」で、こちらも通常金利が0.05%。3つ目の「auカブコム証券との連携」は0.099%。3つそれぞれの特典と同行の通常金利を合計すると0.20%となる仕組みだ。
また、金額と頻度をあらかじめ設定することで、au PAYの残高をauじぶん銀行の口座に自動で払い出す「自動払出機能」も8月30日から提供する。手数料は無料で、1回あたりの払出金額は1円~10万円まで1円単位で指定できる。なお、手動での払い出しはすでにサービスを提供しており、払出額によって手数料が発生する点が異なる。
この機能は、使わないau PAYの残高を払い出すもので、国内初の「オートスイープ」機能という。払い出したau PAY残高は通常の預金残高同様に金利が付くのも特徴。払い出しする頻度は毎日のほか、10日・20日・月末から選択可能。auじぶん銀行代表取締役の臼井朋高氏は「au PAYの決済でたまったPontaポイントをバリュー(au PAY残高)に変換し、口座に払い出して現金として利用することもできる」と述べた。
KDDI金融決済ビジネス部長の長野敦史氏によると、auの携帯電話サービスに加えて、1500万人のauスマートパス会員、3300万人のau PAY会員(au PAYカード会員も含む)との接点を構築し、auでんきのエネルギー事業、au PAYやauじぶん銀行などの金融事業、コマース事業の3事業からなる「au経済圏」が構築されており、なかでも金融事業の成長が著しいという。
2019年に設立したauフィナンシャルグループでは、設立当初から「スマートマネー構想」を打ち出しており、au PAYやauじぶん銀行、損保といったさまざまな金融サービスを「スマホセントリック」な形で提供してきた。「それぞれのグループ内のサービスを連携させることでより便利でお得な金融体験を提供する」ことを目標に取り組んできたのが同グループの特徴だと長野氏は話す。
今回の3サービス連携によって実現する0.20%という金利について、臼井氏は「0.2%は絶対金利では高くないかもしれないが、インパクトのある数字だと思う。金利の条件として設定したハードルを下げたので、より多くのユーザーに使ってもらえれば」と述べた。
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